一度は行ってみたいと思っていた「紅葉の涸沢」を目指します。日本一の紅葉と言われる絶景を自分の目で確かめてみます。山屋で写真を趣味にする仲間がいなかったことで延びのびになっていました。先日、東日本大震災の状況撮影と早池峰山に同行頂いた「とうちゃん」が行ってくれるということになり、気ままな平日写真撮影山行に出かけることになった。
 例年だと涸沢の紅葉は10月上旬ですが、今年は少し早めで9月下旬になると予想されました。ちなみに昨年はもっと早く9月23日頃だったようです。従って、当初は10月上旬を予定していましたが、急遽1週間繰り上げて涸沢に臨みます

 日 時:2016年9月27日〜9月30日(4日間) 9/27:晴れ,9/28:終日雨、9/29:雨、夜から晴れ、9/30:晴れ。
 山 名:涸沢カール(標高2,310mくらい)
 参加者:とうちゃん、○

概要をスライドショーにしています。

まずは、9月30日の穂高連峰の写真から。モルゲンロートも終わりのんびりとコーヒーを飲んでいたら凄い雲が出ました。
(すべての写真はクリックすると拡大します)

以下、ほぼ時刻順です

上高地河童橋   9月27日 7:10

深夜に沢渡Pに着き、車内仮眠。バスターミナルが移転しています。6:30やっと相乗者を探してタクシー(\4,200/台に相乗)で上高地へ。7:00出発。登山届を出し忘れました。誰もいない河童橋は初めてです。幻想的な明神岳。

木梨平
 
朝もやの中を進む。ETが「おはよう」と顔を出しそうです。

明神岳
 
明神をスルーして少し進むと、明神岳がよく見える場所があります。ここで、デジイチを取り出し撮影開始です。

いい塩梅に雲がかかっています。

明神岳
 
徳本峠分岐の手前からも明神岳がよく見えます。

前穂
 
徳沢園の手前まで来ると前穂高岳が見えてきます。まだ行ったことがないので、あわよくば奥穂から前穂経由で降りることも視野に入れていますがどうなりますやら。

徳沢園  9:00

テントは10張りぐらい。ここで、ソフトクリームを頬張るわけにはいきませんね。ちょっと休憩して出発します。

新村橋   9:17

当初の予定は横尾から本谷橋というノーマルルートでしたが、とうちゃんが何を思ったか「天気がいいので新村橋からパノラマルートを登ろう」と言い出しました。私としてもパノラマルートは登ったことがないルートなので異存があろうはずがありません。ということで即決!パノラマルートを進みます。タクシーに相乗りした2人がここにいました。彼らは蝶ヶ岳に登るそうです。

パノラマルートを登る

パノラマルートは屏風のコルを越えて涸沢に入るルートです。コースタイムは横尾経由より1時間ほど長くなるようです。

このルートは普通、下りに使うそうです。キャンプ道具を持って登ろうというのは無謀だったかも。・・というオチが待っているとも知らず。

樹林帯を抜けると  10:30

直射日光の攻撃をモロに喰らいます。まだ高度はあまり上がっていません。かなりの急登を喘ぎながら登ります。お互い20kgの荷物が肩に食い込みます。
そういえば、先の大雨でこのコースは通行止めになっていましたが23日に復旧したそうで、関係者に感謝です。

奥又白池方面分岐 10:45

更に急登は続きます。慶応尾根でとうちゃんにアクシデント発生。右足太ももが痙攣、左足でかばったため両足とも痙攣して歩けなくなります。この後、○が荷物ピストンしたり、木陰で休んでいると幾分回復したようで、自分で荷物も持てるようになりました。少し荷物を引き取って歩き出します。

間もなく屏風のコル    14:45

コルを越えてきた人に「後どれくらいでコルですか?」と聞くと、「ゆっくりでも2時間あれば着きますよ」と言われて呆然としました。まだ2時間!
でもその人が言うことは正しかったようです。更に急登は続き、息も絶え絶えです。苦悶の表情を浮かべるとうちゃん、頑張れ!

屏風のコル    15:00

やっと、屏風のコルに着きました。いやぁ、時間がかかりましたねぇ。もう、このへんでビバークを覚悟しました。時速1kmを切っていますね。(笑)
とうちゃんが「○ちゃん、屏風の頭まで行ってきていいよ、ここで待ってるから」と言ってくれましたが、体力も時間も不安なので屏風の頭は諦めます。

屏風の耳
 
屏風のコルに荷物をデポして屏風の頭に行ってきた人が降りてきました。聞けば、上高地から岳沢、前穂、奥穂に登り、涸沢に降りてパノラマルート経由で上高地に戻るんだとか。その途中に屏風の頭に寄ったみたい。凄い。聞くんじゃなかった。(笑)

屏風のコルからの展望   15:00-15:30

大休止を兼ねて撮影を楽しみます。ここは絶好の展望地になっていて、穂高連峰のみならず涸沢カールを下に眺めることができます。


正面に奥穂、右手に北穂が見えます。
涸沢カールが下に見えるということで、ここは標高2,400mを越えています。このあたりが今現在、紅葉のピークなのかもしれません。

涸沢カールが下に見えます。絶景とまではいかないまでもまぁまぁの紅葉が広がっています。夢中でシャッターを切ります。

ここのナナカマドは真っ赤に紅葉しています。


むさくるしい男が2人
 
せめて着ているもので紅葉にコーディネートしてみました。(笑)

さて、涸沢に向かいます   15:30

涸沢まで1.4km、時間にして1時間ほどです。幸いとうちゃんの足も痙攣することなく、降りれそうなので注意しながらゆっくり降ります。
どのみち、紅葉の中を降りますので撮影しながら進みます。

涸沢カールが近づいててくる

パノラマコースというだけあって、気持ちのよい下りです。

草木も秋
 
見逃すところでした。岩肌にしがみつくようにひっそりと咲いていた花も一緒に秋模様です。

足元は結構急峻な崖になっています。

屏風の頭と耳 

遠くに見えるのが頭で手前が耳です。次回は是非頭まで行ってみましょう。

表銀座方面
 
大天井のあたりでしょうか。

ロープが張ってあります 

雨が降ると滑りそうで怖いところです。とうちゃんはロープや鎖を掴みません。本当の山屋です。

私はシルエット。なんかかっこいいですね。←自分 (笑)

朱色 

鮮やかな朱色に染まった木があります。
涸沢カールの写真ばっかり何枚もすみません。

涸沢ヒュッテ
 
すぐ近くまで降りてきました。もうちょっとで本日のお宿(テント場)に到着です。テラスに人がいます。きっとおでんをつまみに生ビールを飲んでるんでしょう。
いいもーん、アルコール持ってきたもーん。

テント受付    16:50

受付は17:00までと書いてあります。滑り込みセーフ。料金は1人1泊1,000円。あら、昔の倍?
新村橋から7時間半(上高地から9時間45分)もかかりました。ヘッドライト点灯直前ですね。急いでテント設営、雨が降ってきました。最悪です!
夜中にテントの中に水漏れ、もう大変なことになってきます。


終日雨   9月28日   13:30

朝から暴風雨。テントがバタバタと音を立て、雨が染み込んでくる。雑巾で拭く。フライシートとテントの間に隙間を作らないでいい加減にテントを張ったのが敗因です。雨の中、石垣でテントを囲んで、フライを張って応急処置。夜になっても雨は止まず。28日の写真はこれだけ。奥穂登山どころじゃない。雨に祟られています。

今日も雨?  9月29日  6:30

30分おきに、テントに染み込んだ水を拭き取る。とうちゃんのシュラフはじわーっと水を含んでいる?私はゴアのシュラフカバーしてたからOK。

当初の予定だと今日は下山日。えええ?この雨の中テントを撤去するの?嫌だなぁ。

偵察隊    10:00

天気予報は夜9時まで雨となっている。もしかしたら晴れるかも? 期待を持って小雨のときにちょっと外に出てみるがやっぱり雨。食っては寝るだけ、太りそう。(笑)

雨が止んだら  13:00

とうちゃん:「ちょっと奥穂に登ってこようか?」
○:「ええ?今からですか?」
とうちゃん:「たいしたことないよ」
○:「暗くなってからザイテングラード危ないです」

ではちょっくら付近を撮影散歩しましょう。

撮影散歩
 
機材だけ持ってウロウロ。あ、○はシャワーキャップどっかに入れたまま。

隣にテント張っていたおじさん:「今年はナナカマドが全然赤くならない、ダメだ。帰る」と言って今朝方雨の中をテントを片付けて降りていったし。

奥穂高岳に登るグループ
 
雨の中でも、予定があれば登るんです。殆どの人が帰る中、登るグループ。ヘルメット着用を推奨(義務ではない)しているだけあって90%くらいの着用率と見ました。私たちのヘルは、荷物になるので車の中に置いてきました。^^;
テン場も数は半減したみたいです。

オレンジのナナカマド
 
やっぱり今年のナナカマドはきれいな赤にはなっていません。冷え込みが足りなかったのでしょうか。

チングルマ
 
とうちゃんはどっかのおばさんに誘惑されて、写真のとり方のイロハを教授する羽目になった模様です。ついでに、チングルマの老花も説明したとか。

人のことを笑っていたら、私は人間のウンチを思いっきり踏みつけてしまいました。くっさー。

ウンチ落とし
 
池に行って靴をジャボジャボ洗ってウンチを落とします。まったくもってひどい奴がいるもんです。登山道を分けて入ってすればいいというもんじゃないでしょ。僕なんか携帯トイレをちゃんと持ってきてるんですよ。とうちゃんを心配して。(汗)

撮影に夢中

雨中の撮影は続きます。涸沢小屋です。そういえば、涸沢小屋では15年ほど前に1枚布団に4人という仕打ちをくらいました。事前予約したのですが、涸沢ルールで先着順受付になり、予約は無効です。

一進一退
 
相変わらず、雨は小降になったり止んだりしています。時折、雲が面白い形をして上がってきます。

雨よ上がれ 


雨は上がりません。大天井あたりに続く峰々に雲が湧いてきて面白い景色になりました。遠くで雷鳴も聞こえましたが、こちらには来ないようです。

もう、今日山を降りるのは諦めます。明後日は八海山に登らないといけないのですが、天気予報は明後日も雨と告げています。八海山を中止にしてもう一日ここに留まることにしましょう。食料だけは豊富にあります。

実は真っ赤

ナナカマドの実は真っ赤になっています。葉っぱも真っ赤になって欲しいですよね。

中には鮮やかなのも
 
いるにはいるんです。真っ赤なのが。でも目立たないんですね。

この時間(14時)になるとテントの数が少し増えてきます。雨の中を上高地から登ってきたんですね。

貸テント
 
涸沢には「貸しテント」があります。テントを持って来なくてもテントだけを借りることができますので便利です。が、5月時点ですでに予約はいっぱいになります。紅葉の時期を5月に予測して予約して下さい。料金はHPで確認して下さい。

何度もナナカマド
 
なかなか撮影も飽きませんね。まもなく1時間半が過ぎようとしています。

雨は相変わらず、振ったり止んだり。

天気予報では20時頃から晴れとの予報になりました。

星が    20:00

あ、お酒はすでに昨晩で飲み尽くしてしまいましたので、山小屋で高価なビールを買ってきて飲みます。テント代より高いビールになりそうです。

晴れました!天の川も見えます。星の撮影にチャレンジします。私のは全滅。とうちゃんがかろうじて撮影に成功します。勉強し直しですね。



モルゲンロート   9月30日   5:50

昨夜は冷え込みました。シュラフ(3シーズンにしました)のジッパーを閉めても寒さが襲ってきました。耳も冷たかった。シュラフカバーもしっかり閉めて潜っていました。

5時過ぎに目は覚めていたのですが。5:40まで待って外を見ると、もうモルゲンロートが始まっています。あれぇ。

大騒ぎ
 
カメラは昨夜の星撮影のままのセッティングになっている。BULBになっているし、絞りやらマニュアルフォーカスやらを戻すのですが、うっかりミスが命取りになります。

バッテリ交換
 
BULBにするとバッテリが一気に減ります。さらにROWAのバッテリだからヘタリが早いんです。とうちゃん、充電してきたのに「すぐに無くなる」と文句垂れていますが、ROWAはそんなもんだと諦めて下さい。で、あろうことかとうちゃん、バッテリ交換時にフタを落としてしまいます。フタは岩の隙間からはるか下に入ってしまいました。さぁ、大変!大奮闘の始まりです。

バッテリのフタ探し
 
大きな岩、小さな岩をめくっては「ない、ない」と騒いでいます。最後には二人してヘッドライトで穴の下の方まで照らしてフタ探しです。

そうこうしているうちにもモルゲンロートは下がってきて明るくなります。

焼け始め    5:44

話を戻すと、5:44にテントのジッパーを開けるとすでにモルゲンロートが始まっていました。これが最初の一枚です。

20分以上経過   6:10

影がだいぶ小さくなりました。カメラの設定が難しいところです。ほとんどオートの世界でしょうが、そこはやっぱりマニュアルにしたいところです。

それでもくっきとり線は

日陰の部分はちゃんと出ています。どこを測量するかによって露出時間が著しく変わります。


奥穂、北穂

4日めにして初めて山頂付近が見えました。長かったなぁ。

結構ゆっくりです
 
まもなく6時半です。すでに45分経過といったところです。ご来光とか、日没はあっという間に終わりますが、モルゲンロートはゆっくりなんです。



パノラマ
 
すべてのパノラマは合成したものです。最初から意識しておけば、焦点距離を標準焦点あたりで固定して撮ればうまく合成することができます。

まだ続くんかい 

とうちゃんも復帰
 
バッテリカバーを意地で探し出したとうちゃんも、撮影に復帰します。結局、純正のバッテリを温めて、スリスリして復活させ撮影可能になります。さっきまでふてくされていましたね。良かったぁ。(笑)

まだ続く
 
いいかげん飽きてきました? いやいや撮影する方はまったく飽きませんって。


色んな表情を見せる

カメラの設定によって全く異なった結果の写真になります。



随分と線が下がりました    6:45

日陰になっていない部分はもう昼間のような明るさです。約1時間が経過しました。

もうすぐテン場にも陽が
 
早く陽が当たって欲しい人はなるべく涸沢小屋よりにテントを張ればいいってことです。トイレが近いほうが良いか、陽が早く当たるほうが良いか、次回の参考としましょう。


前穂、奥穂
 
前穂の稜線越しに登ったとうちゃんは「あれがW峰」とか教えてくれます。

私はまだザイテングラード経由で奥穂までしか行ったことがないんです。

穂高岳山荘
 
しっかりと見えていますね。雪があってスキーができる人はあっという間に降りてくることができるんですね。


さて、朝食でも 

1泊延泊しても食材は余っています。非常食も余っています。少食だったのか、準備した量が多すぎたのか?次回への反省材料としましょう。一つだけ言えることは「お酒は足りなかった」

山でコーヒーを   8:30

あ、コーヒーもなくなった。^^;
山でゆったりと飲むコーヒの旨いこと!!!
幸せですねぇ。

「岳」を思い出します。



いい天気です
 
テントをひっくり返して乾かします。フライ、傘、シュラフ、濡れたものはなんでもとにかく乾かして軽くしましょう。荷物の量が殆ど減らないんですけど。


相変わらずの光景ですが
 
刻一刻と微妙に変わる涸沢の風景を見飽きることはありません。ずっとここにいてこの風景を見ていたい心境です。

が、そろそろお片付けしましょう。

パッキング完了  8:30

荷物がほとんど減りません。食料が減った分ちょっと軽くなりましたね。もうすっかり元気回復のとうちゃんです。いつも歩く速度は分速100mだそうです。○はとうちゃんの歩行速度についていけません。

なんでも赤で
 
ザック、ジャケット、Tシャツ(ロング、ショート)も紅葉の色で決めてきたつもりです。もちろんパンツも。(笑)
シュラフの赤は置いてきました。

♪穂高よさらば♪ (歌えないっつう)

こいのぼり 

涸沢ヒュッテの目印でもある「こいのぼり」です。遠くからこれが見えたときには、「あぁ、涸沢に来たんだ」という実感が沸きます。

今回はここのテラスで生ビールを飲むのは叶いませんでした。持ち上げたからいいんですけどね。

下山開始     10:00

絶好の登山日和。帰りたくなーい!後ろ髪を引かれつつ今回は帰ることにしましょう。
振り向けば、穂高がニッコリ笑っているようです。


ちょっと下っても
 
たいして景色が変わりませんね。ナナカマドは茶色に涸れていきそうです。


どんどん下る
 
やっぱりカメラは出しておいたほうがいいですよ。登りではこのルートは歩いていないので、何か発見があるかもしれません。
カメラを出すべきか悩むとうちゃん。

屏風の耳と北穂の稜線

ちょっと下っただけで、かなり違った形に見えるような気がします。5年前、北穂で滑落したのは私です。

今日、登ってくる人とすれ違います。みな、紅葉を期待していますよね。まい、見頃ですから感激してくださいね。

本谷橋  11:30

沢山の人が休んでいます。「サブスリー(目指す)」のTシャツを着ている人がいて受けました。まだ達成していないそうです。
明日はここから大渋滞するんでしょうね。

本谷橋

とうちゃんが消えた。もしかして川に落ちた?とおもったら仮設の橋を渡っていたみたいです。雨が降って増水したら仮設橋は通行できないでしょう。

屏風岩

誰か登っていないか目を凝らしましたが、誰もいません。とうちゃんもここは登ったことがないそうです。

横尾   12:30 - 13:00

延泊したのにまだ余裕で昼食が準備できます。ここで、思い切ってビールを飲みます。生ビールはないそうで缶ビールでしたが、暑いので旨かった!

猿軍団

徳沢園を通過して明神の手前まで来ると猿が遊んでいます。逃げないけど、人間のポケットに手を突っ込むようなこともしない。ここには猿が多すぎるんです。
「アワワワ」と叫んでみましたが反応はありませんでした。赤谷の猿とは違いました。(笑)

そして河童橋   15:50

観光客で溢れかえる河童橋に戻って来ました。楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。上高地で相乗者を探し出し、タクシーで沢渡まで戻ります。

Before After
 
涸沢で時間を潰しただけなので、疲れも見せずに元気に戻ってまいりました。当初の予定では奥穂に登りあわよくば前穂経由で降ろうかなどと企みましたが、どこにも登らずに終わりました。

さて、4日分の汗と垢を落としてから戻りますか。

  ---  完  ---