テント1日目。昨夜は日が落ちたら急激に気温が下がり寒くなったので、シュラフの中に足を突っ込んで横になっていたが、徐々に体全体が少しずつシュラフの中に潜っていった。
 ポタッ、ポタッ、といういやな音がずっと聞こえている。雨が降っているのかな?
 3時、テントのジッパーを開けて首を出してみると、なんとそこには
満天の星が広がっているではないか。音は夜露が山小屋のといを伝わって落ちてきているものだった。真上に天の川が流れ、無数の星たちが瞬いている。オリオン座が西の空に隠れようとしている。やったね、今日はいい天気だ!

日 時:2009年8月4日(火)
場 所:塩見岳(標高3,046m)
参加者:◎
 

塩見岳MAP、

 三伏峠から塩見岳を往復する。

 CTは標準で8時間ぐらい。
  三伏峠の朝

 5時前の三伏峠はまだ暗く、とても寒い。正面には塩見岳が頭だけ出しているのが見える。山の朝は早い。ほとんどのテントが4時には起き出して朝食や出発準備をしている。我々も例外ではない。

 うちらの前に張ったテントの女性二人組みの一人はむっちゃ豪快なイビキを一晩中かいていた。○はたまらず耳栓をしたのだがそれほどの効果はなかった。焼石岳に次いで2番目のすごさだった。その女性は翌朝、「あまり眠れなかった」とのたまう。
三伏山(標高2,615m)   5:20

 5時ちょっと過ぎに三伏峠テン場を出発。とても寒い。さすがに標高2,500mくらいになると夜は寒いのだ。そういえば、シュラフも夏用だったので、夜中はかなり寒い思いをした。

 約15分で三伏山頂に到着。シルエットの塩見岳が不気味な感じで現れる。こちら側は陰塩見ってところか。
三伏山

 夏だというのに寒いので手袋着用中。後方から抜いていったおっさんが、山頂でゆっくりしていて「写真撮りましょうか?」と言ってくれたのでお言葉に甘える。後方は烏帽子岳。
本谷山に向かう

 塩見岳へのルートは、稜線をぐるっと踏破して行くのが最短時間。とはいっても、本谷山に向かう途中にもかなりのアップダウンがある。途中で、陰塩見から漏れる御光で朝日を拝み、マルバダケブキの群生を突き切ってドンドン先へと急ぐ。
遠くの山並みが見え隠れ

左:中央アルプス方面、空木岳のあたりか

右:仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳が見えてきた。仙丈ケ岳はいつも北側から見るので見えないのだが、南側からだとカールがちゃんと見えるんだ。
本谷山  標高2,658m  6:20

 ほぼCT(コースタイム)通りでこの区間はクリア。途中で陽が当たりだし、暑くなって来た。手袋、CW−X、シャツを脱いで、夏モードに切り替え。テン場で隣にテントを張ったおっさん(広島から来たんですと)が途中で抜いていったが、ここで休んでいた。このおっさんとは、山頂でも会うし、テン場に戻ってもまた今夜も一緒だった。
小河内岳方面

 元塩見小屋の管理人が移っていった小河内小屋がかろうじて見える。NHK小さな旅で放映した通り、すばらしい立地条件のところに建っている綺麗な小屋との評判。

 右は、食べれるかどうかもわからないキノコ。たぶん毒っぽい。
塩見新道分岐

 アプローチとしてはロングコースだが、累積標高差としては一番低く、管理人のお勧めのコースとのこと。直接塩見小屋に行って、塩見岳だけに登る人は便利かも。
塩見小屋手前からのパノラマ

左から、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、北岳、間ノ岳と南アルプスの名だたる名峰がずらりと並ぶ。
塩見小屋   8:25

 近づくまでその存在が判らない塩見小屋。稜線陰の窪地に建つ平屋建ての小屋。定員は30名ほど。屋根には布団が干してある。奥にログハウス程度の小屋が2棟あり、どうやらあっちが寝る場所らしい。テン場はなく(昔は幕営OKだったらしい)、事前予約必須の小屋。どっかの団体が予約してしまえばもう満員。予約なしだと500円高?
最後のアタック

 塩見小屋でちょっと休憩。早く登らないと雲が湧き出すから。稜線に出ると、いよいよ塩見岳が迫ってくる。

 かわいい看板がある。塩見小屋は1分、塩見岳は1時間と書いてあるが、塩見岳への1時間は健脚でないと厳しいのでは?
天狗岩

 塩見小屋がダケカンバの中に隠れていrがかろうじて見えている。天狗岩付近通過中。無風、快晴でも恐る恐る通過するくらいだから、風が出るとどうなることやら。

天狗岩クリア

 まだまだ序の口。これから先が、ガレ場で急な岩場なのだ。

 この景色は剱岳に似ていると思う。剱岳の前剱をクリアしてカニのタテバイに続く登山路がこんな感じである。
岩場での高度感

 最後の岩場にとりつく。さっきすれ違った女性(塩見小屋のバイト)が「山頂直下にライチョウがいますよ。2箇所で見ました。」と言ってくれたので、元気が出る。が、ライチョウを探すどころか、自分の足を置く場所さえもおぼつかない。
天狗岩を振り返る

 益々高度が上がってきた。高々300mくらいしか高度は上がらないはずなのに。力強いステップで降りていく女性がうらやましい。

 甲斐駒ケ岳は、夏でも雪を被ったように白く見えるからすぐにわかる。

 苦しくて怖い岩場もそろそろ終わりに近づく。
塩見岳(西峰)山頂   標高3,047m   9:42

 岩場を登りきったら、いきなり三角点のある山頂(西峰)に到着。こちらより東峰のほうが標高が5mほど高い。

 東峰には3分ぐらいで行けそう。山頂の広さは西方のほうがやや広いって感じ。
塩見岳(西峰)から富士山

 正面に富士山がデーンと現れる。どっから見ても富士山はすぐにそれと判る。が、すでに富士山には雲が沸き、もうしばらくすると富士山は見えなくなるのではないかというところだった。よかった間に合った。セーフ!
  富士には×××が良く似合う

 先ほどの岩場では泣きそうな表情で、冷や汗をダラダラとかいていたが、平らなところに来ると何事もなかったように自信たっぷり。
塩見岳(東峰)へ

 煙と何とかは高いところに上りたがる。少しでも高いところに行って、もっと眺望を楽しもう。あちらの山頂には5人ぐらいの人がいるみたい。でも、行くのだ。
塩見岳(東峰)  標高3,052m

 西峰とたいして変わらなかったりする。ここでも親切な人が「写真とってあげます」と言ってくれた。
塩見岳(東峰)からのパノラマ

 遠くは、仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、能鳥岳。あんな遠くから縦走してくる人がいるんだから驚く。縦走するにはかなりのアップダウンがあるんだ。
大休止

 山頂で昼食のラーメンを作って食べる。んん、うまい!
 山で食べると何でも美味いなぁ。特に天気がいいと山座同定しながらゆっくりと食べることができるので、なおさら旨い。
まだ、休んでいる

 飽きることがないんだもん。天気はいいし、360度の展望だし。ずっとこのままここに留まっていたいな。
名残惜しいけど降りる   10:30

 先ほどから黄色い手ぬぐいを首から提げたツアー客(関西なんとかツアー)が西峰でうるさくなってきた。そろそろ、潮時だな。きっと東峰にも来るよ。

 では、また4時間以上かけて戻りますか。
しばらくは冷や汗が出るかも

 上りも怖いけど、下りはもっと怖い。杖を預けて、手袋をして一歩づつ足を出す。が、足がでなかったりする。高山植物に癒されながら慎重に下る。
後ろでは余裕で写真撮り

 イワツメクサ、イワベンケイが短い夏を楽しんでいる。
ハクサンイチゲ、タカネシオガマ

 下のほうのハクサンイチゲはほとんど鹿に食われて全滅状態。鹿もこれないところにしか残っていない。
タカネダイコウンソウ

 ちょっと高度感を出して撮ってみるか。ここから滑り落ちたら誰も助けに行かないよ。
チシマギキョウ、タカネビランジ

 まだまだ気を抜けない。あれ?もしかしてタカネビランジ?鳳凰三山固有種かと思っていたが、ここにも咲くみたいだ。



 天狗岩まで来ると一安心。後はダラダラ歩くだけになる。
塩見小屋に降りてきた   11:40

 いつものようにお土産(記念品)を所望。バンダナは置いてないので手ぬぐい。ペンダントとセットで1,300円だというので一緒に買う。

 塩見岳はすでにガスがかかってきて全く見えなくなる。布団と枕を取り込むのに忙しい。
便袋

 山頂ですれ違った外人の親子がゆっくり休んで昼食中。ナナカマドの花が咲いている。

 ここのトイレは便袋を購入して、そのビニール袋の中に用便をするもの。使用後の袋は箱に捨ててよいとのこと。こんなトイレ他では見られない。が、残念ながら催してこない。

 12時出発。
本谷山    14:10

 展望のきかない樹林帯をアップダウンしながら、時間だけが過ぎていく。途中で2度目のラーメンタイム。1度目の山頂ではおちおち食べていられなかったとか。

 塩見小屋から2時間以上もかかってやっと本谷山。今度はシルエットではないよ。
本谷山

 なんだか、疲れました。まだ1時間以上かかるんですがね。
アップダウン

 これでもかと攻められるアップダウン。マルバダケブキは鹿が食べないので今後の山はこればっかりになるんじゃなかろうか。



 これぞ、夏の空!いいねぇ。
三伏山  15:20

 もうアップダウンはいやだぁと叫びたい頃、やっと三伏山に戻ってきた。塩見岳の雲も夕方になると上がるらしく、また全容を見せ始める。
三伏山

 しばらく休憩して、山座同定。明日は、あっちのほうだな。
  ホシガラス

 この山にはホシガラスが沢山いる。多いときは五羽くらい同時に見かける。ハイマツも多いし。
  テン場   15:30

 やっと戻ってきた。空荷に近いのに疲れた。その足で、水場まで往復30分。

 いきなりお湯を沸かして、焼酎を飲み始める。これで、少しは疲れが飛んでいくのだ。

塩見岳の花たち


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