双六〜黒部五郎〜鷲羽の山旅
第3日目(2008年7月23日)
鷲羽岳



全体鳥瞰図(左)と第3日目コース(右)

 
 黒部五郎小舎から三俣峠まで登り返し、巻道を通って三俣蓮華山荘へ。ここから、当初の予定を変更。雪渓が多く残っているため、黒部源流と祖父(じい)岳はパス。黒部源流までとと鷲羽岳をそれぞれ往復だけに留める。結局、雲ノ平へは行く事が出来ずに、双六山荘に戻る事になる。

高低グラフ
  
 
黒部五郎小舎から巻道分岐(黒部乗越)まで登り返し、巻道を通って三俣山荘に下る。
 三俣山荘から黒部源流まで標高差約250mを下って登る往復。
 その後、三俣山荘から鷲羽岳へ標高差400mを同じくピストン。

 最後に全装で三俣峠まで登り返し、双六巻道を使って双六山荘まで戻り、翌日の下山に備える。

 
 
黒部五郎小舎  標高2,301m 時刻5:45

 
小舎の朝食は5時から。昨日、黒部五郎からの戻りでスカーフを拾ってあげた岳友の山田さんは3時から起き出して支度を始めた。○は4時半に起きて、朝食作り。朝食といってもお湯を沸かして注ぐだけのフリーズドライ。その間に、みそ汁とかスープをお代わりして飲む。

 結局、出発は5時半を過ぎてしまった。今日も最終組。自炊するとどうしても時間がかかるが致し方ない。
雪渓を登る

 
三俣蓮華の巻道まで、急登を登り返す。岩場ゴロゴロの急登が終わると、涼しい雪渓が待っている。平らな雪渓ならもう慣れた。
シャクナゲ

 まだシャクナゲが咲いている。これは普通のシャクナゲ。双六巻道にはキバナシャクナゲが咲いているようだ。
巻道分岐  標高2,650m 時刻7:10

 
三俣蓮華山頂直下の巻道までやっとたどり着く。コースタイム1時間40分のところを1時間25分で歩いてきた。ヨシヨシ、上等じゃ。

 ここで、山田さん夫婦にに追いつく。二人は蓮華の山頂に向かうようだ。
 
 ここからが恐怖の始まり。不得意な下山に加えて雪田横断がある。
 ステップを切ってあるが、まだ大量の雪が残っており足が前に進まない。
雪渓を降りる

 
○は余裕でルンルンなんだけど、相棒は恐怖で冷や汗を流しながら腰が完全に後に残っている。これがコースタイムの倍かかる原因なのさ。
ライチョウが怖がっている

 
チングルマの回りでライチョウの親子が遊んでいる。親鳥2羽に子供が4羽かな?親鳥がいきなりこちらに向かってきて、身体を奮わせ、目一杯膨らんで大きくなる。動物や魚も同じように自分の身体を大きく見せる威嚇行動だ。
 このライチョウ、まだ冬の毛が完全には抜けていない。胸のあたりは白い毛が覆っている。

 子供が安全な場所に行くまで、何度もこうしてわざと近寄ってきて威嚇行動をする。けなげな一面。
ライチョウ

 
やっとのことで、子供達がハイマツの中に入っていくのを確認すると、親鳥も後を追ってハイマツの中に隠れていった。
三俣山荘、黒部源流が見えてくる

 
残る雪渓は2ヶ所?これを下れば三俣山荘だ。やっと見えてきた。
 左手下の方には黒部源流と思われるポイントがありそうだ。
三俣山荘 標高2,530m 時刻8:50

 
黒部五郎小舎から三俣山荘に移動するだけで3時間以上かかってしまった。ちょっと休憩。この小屋の名物は展望喫茶。香ばしいコーヒーの香りが漂ってくる。が

 山荘の中に入って、登山道情報を探る。ホワイトボードには雪田やスノーブリッジが書き込んであるが、通行止めはないようだ。が、良く話を聞くと「祖父岳上部の雪田が危険な状態なので、出来れば行かないで欲しい」と言われた。
 熟考の末、源流を見に行って引き返すことにする。
鷲羽岳  

 鷲羽岳に登っている人が見える。あぁ、あっちも行きたい、こっちもみたい。出来れば降りたくないなぁ。まだ山頂には雲がかかっているが、そのうちに晴れてくるからね。

祖父(じい)岳
 標高2,825m 

 
左にある急登がキツイらしい。その上の雪田が滑りやすく、危険な状態であるとのことだ。初心者は控えた方だ無難だろう。そうでなくても、雪に恐怖感を持っている人がいるし。
祖父岳 標高2,825m

 源流に向かって、空荷で降りる。日差しが強くなってきて肌がじりじりと痛い。でもさわやかな高原散歩。ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲが一面に咲き乱れている。
源流を越えてきた人

 
すっげぇ大きなザックに、いろんなモノを外付けしている。いかにも重そう。一人でキャンプしながら縦走でも楽しんでいるんだろう。若くて、体力が有り余っている人がうらやましいな。
黒部源流  標高2,400m 時刻9:40

 
「黒部川水源地標識」と書かれた石碑が建てられている。なんだか重々しくていいねぇ。

 で、河原まで降りてみよう。おぉ、この流れが黒部の大河となって行くんだな。
黒部源流

 夏場の徒渉地点は当然危険であるから、高巻きすることになるが、ちゃんと看板が立ててある。「この先、スノーブリッジ有り。危険性を判断できる方のみ後通行願います。」

 あ、◎はすでに、この先に行くことはあきらめているからいいんですけどね。
徒渉地点

 
スノーブリッジが消えて、夏道の登山道となる地点。今は、ここを渡るのは危険だが、もう少し上部なら問題なく渡れるだろう。
再び三俣山荘 標高2,530m 時刻10:45

 玉のような汗をかきながら、三俣山荘に戻ってきた。ちょうど、ヘリが飛来中で小屋の従業員に「危ないからこっちに来ないで」と怒られた。でも、危ないなら登山道にも授業員を配置して、誘導すべきだ。黒部五郎小舎はちゃんとそういった安全確認をしていたよ。ここの小屋の従業員はヘルメットもかぶらずに、ヘリの下でロープを外しているし。

 診療所の職員は直前まで屋根に登って、景色を堪能している。う〜ん、どうだろうね。
鷲羽岳へ

 
ゆっくりとくつろいでいる暇はない。鷲羽岳に向かう。10分もしないうちに、またヘリがやってきた。その間に、先の荷物をかたづけたり、預ける荷物(ほとんどゴミだった)を整理していた。プロパンガスの強大なサイズはすごく重そうだった。

 ハイマツすれすれに進入してくるヘリ。スゴイ風圧だ。
鷲羽岳へ


 
ちょっと登ったところで、3度目の飛来。いやはや、なんとも大変な作業だね。山は段々と晴れてくるが、急登になってくる。

 鷲羽岳までは標高差400mのザレた斜面を一気に登るのだ。
三俣蓮華岳

 登り返しての三俣峠まではかなりの標高差だ。また登り返すのかと思うと、考えただけで疲れが出てきそうだ。至る所に雪渓が残っていて、大雪山系を思い浮かべてしまう。

祖父岳

 
視界を遮るものが何もない。さっき、足跡を残した黒部源流があんなに小さな点になっている。かなりの高度感だ。
もうすぐ鷲羽岳山頂

 
勾配が更に急になって来る。こんなところで落石が発生すれば、逃げ場がないどころが、一瞬にして大事故になりかねない。

 (実は、下りではこのあたりで携帯のアンテナが立ったので会社にメールしながら降りたのだが)

 三俣蓮華岳より高度が上がったように感じる。
 
鷲羽池

 硫黄尾根の向こうに槍ヶ岳が見えるはずなのだが、残念ながらガスがかかっている。鷲羽池はかつての火口湖で、火山としての名前は「鷲羽池火山」と呼ばれる。

裏銀座 
 

 大展望の鷲羽岳山頂に到着。
鷲羽岳から裏銀座方面


 
ワリモ岳、赤岳、左端は水晶岳。右に行って、真砂岳、野口五郎岳までは解る。烏帽子岳は確認できない。奧は針ノ木岳。

 ずっと見ていても飽きが来ないから不思議。時間がある限りずっと山座同定を楽しむ。
鷲羽岳山頂  標高2,924m 時刻12:00

 
一応、記念撮影。
2度もスカーフを拾った岳友とお別れ

 鷲羽岳の山頂直下でも、昨日拾ったスカーフ(日よけ)をまた拾った。名前が書いてあるからすぐに分かる。山頂に声をかけ、待っていてもらって届ける。まったくもう、山田さんったら2度も同じ人に拾われて良かったね。その山田さんは水晶岳に行くとのことで、ここで本当のお別れ。

黒部五郎岳ともお別れ

 
昨日、登った黒部五郎も、もう見えなくなってしまうよ。。寂しいなぁ。メールしながら降りよ。
三度の三俣山荘  標高2,530m 時刻13:35

 
1時間10分ぐらいかけて降りてきた。
 30分ほど昼食タイム休憩。

 14:00 雷が来ないのを良いことに、山での行動時間の常識を破る出発時刻。また急な登りを登って2時間半歩いて双六山荘まで向かう。いやはや、黒部源流は奥が深いところなのです。明日のことを思うと、少しでも下山地点の近くまで戻らねば・・・。
三俣峠  標高2,750m 時刻15:00

 
今日の行程は上り下りが多い。いい加減疲れてきた。普通ならこの時間には山小屋について、休養中なのに。ほとんど、三俣蓮華岳の山頂近くまで登り返した事になる。

 このあたりから振り返ってみる鷲羽岳はまさしく”鷲が羽を広げたよう”に力強く見える。
双六小屋への巻道

 
だらだらとした下り。雪田と高山植物を堪能しながらも先を急ぐ。足が棒のようになり、靴底を引きずっているかもしれない。

 遙か先の方では、雪解け水でTシャツを洗っている若者がいる。いいかもしれない。試しに流れに手を入れてみると切れるように冷たい。こりゃ、Tシャツ洗うのも命掛けだぁ。
雪田がいくつも

 
雪田の模様がおもしろかったので一枚撮る。


ショウジョウバカマ


 
ハクサンイチゲ

 もう見飽きたか?


鷲羽岳が遠くになった 
時刻16:00

 
鷲羽の勇姿もかなり遠くになった。日影になるとTシャツ一枚では肌寒い。最後の登りはあえぎながら遅々として進まず。
双六巻道分岐  時刻16:30

 
やっと、昨日の分岐点に戻ってきた。双六山荘の従業員が複数の携帯を持って登ってきた。アンテナマークが2本とか3本立つ。小屋は圏外だけどここ(小屋から20分)まで来れば、携帯メールができるってことだ。早速○も、歩きながら予め作成しておいたメールや、ブログへのアップをせっせと行う。アンテナマークが3本立っていても、何度も送信失敗する。それが山の携帯事情。普通の電子メールは瞬時に完了するが、iショットは1分ぐらいかかるので、その間に切れてしまうのだ。

 最後の夜は、自炊場で奇妙なカップル(高天原で意気投合した?)と談笑しながら残りの焼酎を飲みきってしまった。明日はどうせ下るだけだぁ。 
もうちょっと・・

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