ゆったりとした山腹を持つ侮りがたき頸城(くびき)三山の最高峰。真ん中が火打山、右が妙高山、左が焼山である。妙高と焼はまとまった形をしているのに、間の火打は長い稜線を引いた不整三角形である。人はとかく整った形には注目するが、そうでないものには迂闊である。妙高や焼は人目を惹きやすいのに、火打は案外見逃されている。
 初心者でも楽々百名山の2山を走破できるような事をガイドブックに書いてあるので、気軽に挑戦してみよう。超大型台風13号が接近しているというのにである・・。
日時:2006年9月17日(日)〜18日(月) 曇→暴風雨
場所:火打山(標高2,462m)
参加者:◎

  火打山登山MAP

 標高1,300mの笹ヶ峰から標高差1,162mは中級クラスではないだろうか?標準時間は、高谷池ヒュッテ経由で、登り5時間、下り3時間半となっているが、実際にはもう少しかかった。休憩時間を考えると日帰りは厳しい山だ。

 高谷池ヒュッテに泊まり、翌日は妙高山に登る予定だったが、想定外の暴風雨に遭い、早々に退散して降りてきた。次回は妙高山に挑戦しなくっちゃ。
笹ヶ峰登山口 標高1,300m 8:15

 妙高高原ICから約30分で登山口に着く。携帯は早くも圏外。
 駐車場は2つあり、隣の大きな方はまだガラガラ。登山届けを出した人は下山届けも出せ、と書いてある。北海道並みだ。
 元気の良い学生が軽装で登っている。日帰りするんだろうな。こっちは、キャンプ道具も置いて、ヒュッテ泊に切替よう。
登山表示

1km毎に距離表示がある。時速2kmで歩いている計算だな。暑い!虫が沢山いる。早く高度を上げたいがなかなか・・。

1/9km  8:40
2/9km  9:10
黒沢 標高1,600m 9:15

 やっと涼しそうな場所に出た。小休止しよう。上高地向かうときの本谷橋の雰囲気だ。違うのは誰もいないこと。静か過ぎるぐらい。流れ落ちる水の音だけが心地よい。
十二曲りの急登

 ここから辛い急登が暫く続く。が、テントを始めキャンプ用具一式を車に置いてきたので荷物が軽い。汗は出るが肩には優しい。大きなブナの木に感心しながら、森林浴!気分転換に最高。
十二曲りの標識 標高1,790m 10:00

 吹き出す汗を拭くのにちょうど良い場所がある。この標識を越えたら少しは平坦になるかと期待したが、見事に裏切られる。この先もまだまだ急登は続く。

3/9km 10:03通過。
オオシラビソの森

 ドンヨリと薄暗いシラビソの下を行く。ツルリンドウがかわいく咲いている。

小休止      10:30

 お腹が空いたので小休止。人間の話し声も車の騒音も何も聞こえない静かな空間。あぁ、生きてるんだ!
ゴゼンタチバナ

 早くも、真っ赤な実を付けたゴゼンタチバナ。秋を感じさせてくれる。

 4/9km通過は10:57になってしまった。先ほど15分ほど休憩したからだ。
富士見平 標高2,070m 11:05

 先客と下山者が沢山休んでいる。一人のおばさんが「あぁ。おしっこしたい」と大声でわめいている。みっともない。もう一人のおばさんが「汗をかけば大丈夫よ」と根拠レスな事を言っている。あぁ、やだ!
 休まずに先を急ごう。
 黒沢岳(標高2,212m)を横目で見て進む。
高谷池ヒュッテが見えた 11:30

 もう、疲れてきたので早くヒュッテについて宿泊手続きをしたい。荷を軽くしたい。その前に、予約していないので泊まれるか心配。

 5/9km通過。やっと半分だよ。はぁ。火打山はガスの中だよ、ガッカリ。
アキノキリンソウ

 右の写真は何?知ってる人教えて下さい。
高谷地ヒュッテ 標高2,100m 12:05着

 飛び込むやいなや「2名ですが、予約なしでも泊まれますか?」と聞くと「はい、20名様の到着デース」とひょうきん者に歓迎される。このヒュッテは宿泊者一人で1枚の布団を絶対に確保してくれる。今時の小屋にはない待遇。2階に案内して貰ってアタックザック一つで山頂に向かう準備。いやはや、いい小屋です。
居間兼食堂

 10畳くらいの広さ。ここで食事が出る。テーブルもあって、コーヒーとか沸かして飲むことができる。奥にNTTドコモのアンテナがあり、アンテナの下で携帯電話がつながる。ふーん、携帯電話のアンテナ設置するのに、いくらぐらいするんだろ?我が家も室内は「圏外」なので考えたいな。
自炊室

 このヒュッテの一番の売りは、自炊室があり、プロパンガスを自由に使えること。鍋・釜・食器・調味料も自由に使えること。それでも敢えて「自炊をお願いします」と訴えている。食事はカレーライスとハヤシライス食べ放題ではあるが、食材を持ち上げるよりかいいみたい。なのに、この日自炊したのは◎だけ。自炊室独占で小宴会。わおぉ!(^_-)vブイ



火打山に向かう  12:40

 ヒュッテでゆっくり休んでいるわけにはいかない。火打山を往復してくるんだ。雨具と水と非常食だけ持ってルンルン気分で天上の散歩としゃれ込もう。

 高谷池は既に秋模様が始まっている。黒沢ヒュッテへの分岐通過。
あと3km

 忍び寄る秋の気配を感じながら木道をゆっくりと進む。


6/9km通過
イワイチョウの間から顔を覗かせている黄色い花は何でしょうか?
カラマツソウ

コイワカガミ
イワショウブ

ミヤマリンドウ
天狗の庭 標高2,120m 13:00

 見事な湿原に飽きることなくゆっくりと進むと、またもや見事な湿原に到着。天狗が遊んだんだろうな。
サラシナショウマ


タケシマラン
ミヤマリンドウ

天狗の庭を行く。尾瀬は人間だらけだが、こっちは自然だらけ。最高です。
オトギリソウ



ミョウコウトリカブト
ヨツバシオガマ


ウメバチソウ


夏の花はそろそろ終わりなんですがね。
稜線に出る  13:15

 残り2km地点(7/9)を13:10に通過。直ぐに稜線に出る。急に眼前が開けて、新潟県が実感できる。おいしい空気をいっぱい食べちゃおう。
鬼ヶ城

 荒っぽい岩稜が現れるが、これは火打山ではない。

マルバダケブキ
もう下山してきた

 8時に登山口をスタートして行った学生達がもう降りてきた。2時間ぐらい離された。「今日、下まで降りるの?」「はい」だって、大変だね。若者よ頑張れ。

 何もトリカブトを入れるとはいってないよ。
ライチョウ平 13:45

 アルプス以外で雷鳥が確認されたということでこの名前がある。が、近年は雷鳥が見られたことはないらしい。
あと1km 13:50

 最後の標識。時速2kmのスピードだからまだ、30分はかかる。がっかり。

 ここまで登ってくると、ナナカマドの実も真っ赤になっているし、葉っぱもそれなりに黄色くなっている。
火打山山頂 標高2,462m 14:20

 山頂には一組のグループを残して全員下山した後。何と、日本海が見える。スゴイ眺めだ。と思っていたら直ぐにガスが出てきた。

 山頂には約20分滞在して、ゆっくり下山。
     16時に高谷池ヒュッテに戻り、熱いコーヒを沸かしてのんびり。でも、夕食が5時半とのことで、こちらものんびりとはしていられない。小屋のカレーライス/ハヤシライスには負けない豪華夕食を作るのだ。ポトフにポテトサラダを作りすぎて、一般の人に食べて貰う羽目に。その頃から、外は雨模様。キャンプでなくてヨカッタ。水場が外なので、洗い物には困ったが、それ以外は快適。バイオトイレだし。
 
 夜半から風雨が激しくなる。台風13号の影響か?4時に起きて朝食作り。誰も起きてこない。5時過ぎても誰も出かけようとしない。朝食は5時半。こちらも出かける準備完了。
 とりあえず、黒沢池ヒュッテまで行ってみて、その様子で妙高山に登るかどうか判断しようということで、茶臼山経由で黒沢池ヒュッテを目指す。途中で1組のツアーと出会っただけ。


黒沢池ヒュッテ 標高2017m 7:50

 人っ子一人いない。寂しい。暴風雨で吹き飛ばされそう。とても妙高山に登れる状態ではない。もう、下山するしかない。1時間遠回りして帰路につく。

 ここから笹ヶ峰まで4時間。途中、小学生(低学年くらいかな)が登ってきた。スゴイ。