大雪山の山々(大雪山は旭岳を頂点とする山々の総称)は、北海道のほぼ中央に位置する。国立公園は東西59km/南北63kmにも及び神奈川県に匹敵する。「富士山で高さを知る」「大雪山で大きさを知る」と言われるほどスケールが大きく、1日や2日で回れるものではない。ちなみに黒岳からトムラウシまでの縦走は、最低でも3泊4日かかる。今回は初めてなので、最もポピュラーな御鉢平周回コースを歩いてみる。
 日時:2006年7月19日(水)〜21日(金)
 場所:大雪山系(旭岳、黒岳、北海岳、白雲岳、小泉岳、緑岳)
 天気:1日目:ガス、2日目:曇り、3日目:晴れ 
 参加者:◎
      

大雪山MAP

 1日目(青)は、まず大雪山系の最高峰旭岳を征服して裏旭に抜け、間宮岳分岐から左回りに、間宮岳、中岳、北鎮岳を経由して黒岳石室で泊まり。時間があれば黒岳往復。桂月山はご来光を見るための山。歩程約7時間。
アトランタから来ました

 前日の様子。天気が悪いのでおらっちは中止。米国からやってきたハイカーは気長に行くとのこと。野営場で2時間ほど話をしてお友達になった。毎年数ヶ月はハイキングを楽しんでいるらしい。ディナー(麻婆茄子)、ランチ(鮭にぎり)を上げたら喜んで食べていた。箸持参だった。翌朝、箱に入ってプレゼントをくれた。「For You」って、、、。
 で、この二人、12日間かかけて十勝まで縦走するとのこと。ビックリ。28kgを背負っている。
ケーブルカーで楽々  6:40

 さて、1日延期したもの天候は芳しくない。翌日の晴天を期待して、無理にでも登るか。せっかくだから片道1,500円のロープウェイを利用しちゃおう。はは、簡単に標高1,600mの姿見まで上がることができる。
姿見の池      7:00

 ここまでは、観光ルート。ハイヒールを履いた人が散歩しています。活火山なのでもうもうと噴煙を上げる旭岳に満足して引き返してください。ごみごみしたところは嫌いです。
 かろうじて、山頂付近が見えている。このまま天気が良くなればいいのに、と祈りつつスタートする。
六合目          7:30  

 ガスが噴出する音がゴーゴーと聞こえる。硫黄の臭いもする。涼しくてちょうど良い気温だ。
荷物が重いよ〜

 周りの人は比較的軽装なのに、なぜこの大荷物。決まって「縦走ですか?」と聞かれる。面倒なので「ええ、家財道具一式持っていますので」と答えることにしている。実際に鍋、釜、米、味噌、塩、水、パン、ラーメン、うどん、缶詰、等食料だけは十分に準備して持ち上げている。久々の30kg荷物だ。一歩登るたびに肩に荷物がずしりとのしかかる。あ〜、苦しいよぉ。でも、この日のために日々訓練をしているのだ!このくらいでめげるものか。
  七合目       7:50     標高1,930m

 旭岳から黒岳に縦走して抜ける団体さんが15名ほど先を塞いでいる。
 が、この先急にガスが出てきて気温もぐーんと下がってきた。慌ててカッパを着込むもどうやら雨になってきた。慌ててカメラもザックの中に入れて、ひたすらガスの中を歩く羽目になる。あ〜ぁ、ついてないね。

 標高2,000mを過ぎたような、9合目の標識のような、、、、、。
  旭岳山頂       9:15    標高2,290m

 山頂に着いたが、ガスで何も見えない。がっかり。でも、もしかしたらガスが切れるかも知れないから、15分だけ待ってみようか。その間小休止。
 でも、ほとんど状況は変わらず。

 この間に山頂を訪れた人は落胆して降りていった。
  裏旭に向かって降りる      9:30

 ちょっとガスは晴れてきた。遅くまで雪渓が残るところを急降下する。帰路にまたココを登るのかと思うだけで、ぞっとするような勾配だ。ズルズルと滑るように下る。
  下から雪渓を見上げると

 こんな感じ。かなりの急勾配。尻セードで降りたら止まれないかも・・。
エゾハクサンイチゲ、チングルマのお出迎え

 雪渓を降りて、裏旭の鞍部にさしかかると、お花畑の始まり。早速、かわいいチングルマがご挨拶をしてくれる。さぁ、これから先、一体どれだけの花々と戯れることができるか楽しみだなぁ。
裏旭野営場〜間宮岳に向かう

 鞍部にある裏旭野営場はトイレがない(トイレブースがあって携帯トイレを使用)ので不便。アトランタの人は昨日ここに泊まったはずだ。

 間宮岳分岐まで、ずっとお花畑が続くので退屈はしない。
エゾタカネスミレ、ヨツバシオガマ

 空気が綺麗だから花も綺麗。みずみずしい。
メアカンキンバイ、間宮岳分岐    10:40

 ガスが雨に変わる。これから高原散歩と言うときに、雨が降ってくるなんて、本当についてない。カッパを出して完全装備。カメラは懐にじっと抱くも、そのうちにやっぱりザックに入れてしまう。

 中岳分岐、中岳は写真も撮らずに通過
  北鎮岳分岐      12:00

 ずっと雨の中をひたすら歩くだけ。結構なアップダウンもあり、疲れが出てきた。北鎮岳は花も綺麗なはずだが、雨の中では登る気もしない。意見が一致して、北鎮岳はパスする。

 この頃から雨は小降りになりガスも切れ始めてくる。そそくさとカメラを取り出す。
  旭岳(間宮岳)方面

 広大な火口(御鉢平)の先にぐる〜っと回ってきた間宮岳方面が見えて来る。おぉ、元気出るなぁ。
 もっと晴れてくれ、と祈りつつ先を急ぐ。
  黒岳方面

 もしかして、黒岳石室が見える?あ、そうかも知れない。あそこまで行けば今日の行程は終わり。宿泊者がなるべく少ないことを祈りながら、不安もある。
  北鎮岳の雪渓を下る

 こういう雪渓を下るのは何も考えなくて良い。
  あと2km

 黒岳石室まであと2kmの看板がある。ええ?まぁだ2kmもあるの?すぐあそこにありそうな感じなのに。トボトボ。

 靴の中まで雨でぐっしょり濡れて、気持ち悪い。早く乾かしたいなぁ。
コマクサ

 高山植物の女王、と呼ばれる。ガレ場にひっそりとけなげに咲く様は、何物にも代え難い哀愁を漂わせている。それでいて見事なピンク色。
  黒岳石室     13:30着

 先客は2人。親切な管理人さんが「事務所に火を入れたで、濡れたものは乾かしていいよ」と言ってくれた。ありがたい。ストーブの前で、冷え切った体を暖めながら、とりあえず濡れたものを干す。
 小屋は50人の定員だが、ちょっと心許ない。床が斜めになっていてすきま風が入りとても寒い。事務所で暖をとったからとりあえずは大丈夫。
 一気に21人の団体が入ってきた。早く小屋についてよかったな、と思う瞬間。でも2階にすればよかった。いつも富士山では2階は人いきれで蒸し暑いので1階にするが、その癖で一階にした。夜中は猛烈な寒さに震える。2階も寒かったかな?
 暖かいポトフで5時前には夕食をすまし、明日の昼食(おにぎり)も作る。


黒岳まで散歩 18:30

 外に出てみると、黒岳が見える。ほんの30分で山頂に立てるらしい。隣の桂月岳は朝日を見る場所として有名だが、「黒岳からはダメですか?」と管理人さんに聞いたら「ダメも何も、みんな見えるっしょ」とのこと。

 天気が良ければ、この黒岳で御来光を拝むことにしよう。 左は、ヨツバシオガマ。
  位置関係

 今日歩いてきたのは旭岳から北鎮岳経由。これから登ってみるのは黒岳。明日は北海岳に向かうのだ。ガスの中だと迷ってしまうのかな?
エゾツツジ、イワマギキョウ

 黒岳も高山植物の花盛り。
コマクサ

 どこへ行っても、やっぱり高山植物の女王の名は揺るぎない。
  黒岳山頂    標高1,984m  19:00

 層雲峡側からロープウェイとリフトを使って登ってくると、この黒岳山頂に立つことができる。旭岳から歩いてくると、ちょうど反対側まで来たことになる。

 雨も何とか上がり、すがすがしい夕暮れ。気温が急に下がり出す。
黒岳山頂

 もうちょっと、すっきりと雲が上がってくれればいいんだが。
  大雪山の山並み

 ちょうどいいところに、看板が立っている。
 旭岳からぐるっと、綾雲岳、上川岳まで。。
中岳、北鎮岳、綾雲岳

 御来光を綺麗に見るには、綾雲岳が最高!というのがうなずける。
白鳥の雪渓

 北鎮岳の雪渓はアヒルに似ている。と騒いでいたら、看板にはしっかり「白鳥の雪渓」と書いてあった。ガチョウ?の物まね。
黒岳山頂パノラマ

 黒岳から東南方向。看板にも書いてないので、イマイチ山座同定出来ず。

 層雲峡からのリフトが着くところが見える。
イワギキョウ、キタキツネ

 避難小屋に戻ってみると、キタキツネがいる。逃げるどころか、コッフェルに口を付けようとする。ちょっと怖いので、シッツシッ。
  バイオトイレ

 お客が寝る石室より数段立派なバイオトイレ。

 石室は寒く、スリーシーズン用のシュラフでは震えてしまった。CW−X着夜のまま、フリースを着込んで寒さをしのぐ。ここでは2段ベッドの上が暖かくていいのだそうだ。下段を選んで失敗した!




 2日目  3日目  旭川〜札幌(付録)