谷川岳ほど多くの登山者の命を奪った山は無いと言われる。しかし「魔の山」と恐れられたのは一の倉沢、幽ノ沢などからの岩壁登攀のことであって、多くの一般登山者が登る「谷川岳」は、全く別の「行楽の山」であったりする。梅雨の中休みを利用して、のんびりと残雪を眺める。
日時:2006年6月17日(土) 晴れ 15度(1,325m地点)
場所:谷川岳(標高1,977m)
参加者:◎

谷川岳MAP

 関越道赤城SAからの谷川岳。まだ、雪がかなり残っている。この時点ではまだ谷川岳に登ることは想定していない。沼田ICで降りてから、急遽土合にいくことに決めた。天気はいいし、眺めも良さそうだし。

 天神尾根コースでお気楽登山を楽しむことにしよう。西黒尾根にもチャレンジしたいが、上級者コースとなっているので躊躇する。谷川岳山頂の双耳峰(トマの耳、オキの耳)からの眺めを心ゆくまで楽しむ。


一の倉沢出合
  
国道291号線がここで通行止めとなる。駐車場のすぐ先が一の倉沢の出合。いきなり眼前に絶壁が行く先をふさぐ。ここが「魔の山」の核心部分である。世界でも最も登攀が困難な岩壁の一つに数えらるグレード6級がある。劔、穂高と共に日本三大岩場と呼ばれる。こんな所を登る為の訓練ってどうするんだろう?雪解け水を背景にたくさんのカメラマンが三脚を並べている。
 よし、あの山頂に立つんだ!

天神尾根から山頂へ

 
谷川岳ロープウェーで天神平へ。標高差700mをわずか10分でクリアできる。料金は往復2,000円。本来の山屋なら歩くべきか?
 気温は15度と書いてあったが、出発時点では20度以上あったように思う。残雪が残っており、所々で雪渓を横断する。

 イワウチワ。葉っぱがうちわに似ているところから。
タムシバ
 モクレンよりやや花が大きい。


ムラサキヤシオ
 ミツバツツジのような気もするが・・・。
新緑の谷川岳

 ヤマザクラが終わったばかりでブナの芽吹きが聞こえる。一斉に春になろうとしている。谷川岳が大きく近づいてきた。


エンレイソウ

 綺麗な花が咲くのかな?
イワカガミ

 鮮やかなピンク(毒々しい?)や、中には白いイワカガミもあり、ドキッとさせられる。
展望台からの合流

 
リフトで展望台に登り、天神尾根を降りてくる登山道が合流する。
眼前には谷川岳

 
稜線を登り続けると、熊穴沢の頭避難小屋がある。宿泊はできないが10人ぐらいはゆっくり休める。明るい綺麗な避難小屋である。

 雪渓の最上部を人が歩いているのが見える。あら?アイゼン持って来なかったけど大丈夫かな?ちょっと心配になる。
オジカ沢ノ頭

 
避難小屋から先は急登の連続となる。一気に高度が上がるので展望がきくようになる。オジカ沢ノ頭と呼ばれる稜線が綺麗に伸びている。

マイズルソウ
 葉っぱが鶴が羽を広げたような格好をしている。
天狗のたまり場

 急登にあえぎながら振り向くと、皇海山、武尊山、燧ヶ岳を確認することができる。すばらしい景色だ。


?(何の花?)
カタクリ

 まだカタクリが咲いている。下界ではとっくに咲き終わっているのだが、高山だからか。花の反り具合がイマイチだ。
赤城山

 赤城山の方向(だと思われる)。
天神平

 冬はスキーヤーで賑わうそうだ。雪洞訓練をする人もいるという。随分登ってきたな。

ナエバキスミレ

 スミレの仲間は名前が難しい。
苗場山

 
オジカ沢の頭の向こうに洗われたあの特徴のある山はたぶん苗場山だろう。まだ相当雪が残っている。
雪渓

 
谷川岳肩ノ小屋直下にはまだ相当の雪が残っていた。うほほ、楽しみじゃい。。
雪渓を登る

 
団体さんがキックステップで足場を作ってくれたので楽に登ることができる。足下がおぼつかない人も数名いるが、ロープにつかまりながら登れば問題なし。
谷川岳肩ノ小屋

 
雪渓を登り切った所に綺麗な避難小屋が建っている。宿泊しても良さそうなくらい綺麗な小屋だ。雷が恐そうな場所にあるが、今日のように天気がよいと天国だな。
トマノ耳まで一歩き

 避難小屋からトマの耳までは150mと表示してある。ガスが降りてきた。
稜線に出る

 上級者コースとされる西黒尾根コースとの合流地点にシラネアオイが群生している。花が大きいので目立つ。
 白毛門から朝日岳を背景にいいアングルだ。ズカズカと入っていくカメラマンもいたが○は自重する。

トマの耳 (標高1,963m)

 谷川岳は「トマの耳」と「オキの耳」のピークを持つ双耳峰。信仰の山としては「トマの耳」は、薬師如来を祀る薬師岳、「オキの耳」は浅間大菩薩を祀る谷川富士とも呼ばれる。
トマの耳からオキの耳

 左のピークがオキの耳。彼方には越後三山(中岳、越後駒ヶ岳、八海山)や巻機山が見える。
オキの耳から一の倉岳

 これから向かうもう一つのピークである「オキの耳」だ。その先が一度は覗いてみたい一の倉沢。もう、ワクワクしてくる

シャクナゲ
 まだシャクナゲが咲いている。向こう側は朝日岳方面。
オキの耳岩壁

 どこがルートだか知らないが、「まさかこんな所を」と思われるところを誰かが登ってきても驚かないぞ。

ミツバオウレン
 だと思うが・・・
ハクサンコザクラ

 小さなハクサンコザクラが懸命に高山で生きている。とってもカワイイ花だ。

シャクナゲ
 ・・・まぁまぁ。
トマの耳からオキの耳

 まだ雪渓がかなり残っている。切れ上がった岩壁がすごく恐い。


ハクサンイチゲ
 トマの耳直下に咲くハクサンイチゲ。

オキの耳 (標高1,977m)

 谷川岳で一番高い地点。豪雪地帯として知られる谷川岳もあと23m高かったら2,000mの山として誇れたのに。
 いやいや、1,000mの高度差を持つ大岩壁は山屋のあこがれだし、こんな素晴らしい大展望はリピータを誘うのに十分な資格がある。
オキの耳

 
雲がなんとか山の上まで去っていってくれたので、素晴らしい展望に大満足。飽きるまで山座同定を楽しむ。
 雪のコントラストが一層山の魅力を引き立たせている。
パノラマ1

心ゆくまで堪能する。
パノラマ2

 
拡大すれば一の倉岳までパノラマになっている。
休憩

 
トマの耳を少し過ぎたところで休憩。風もなく、天気も最高。ゆっくりと昼寝でもしたいところだ。
一の倉岳まで行く?

 まだどこまで行くかも決めていなかった。せっかくここまで来たんだからいってみようか。地図では1時間チョットのようだし。

チングルマ
 高山植物の代名詞。もう咲いている。

一の倉に向かう

 遭難プレートには茂倉岳まで130分と書いてある。え?そんなに遠いの?ちょっとビビル。
 そんなつらさを忘れさせてくれるのが高山植物と展望。知らず知らずのうちに先に進んでいる。

 シャクナゲとのコントラストもひときは素晴らしい。
オキの耳

 特段の驚きがだんだん薄れていく自分が恐い。


オオカメノキ
一ノ倉沢を覗く

 「ノゾキ」とは絶壁上部につけられたところを指す。ここから一ノ倉沢を見下ろすと、恐怖のあまり身体が硬直する。とにかくすごいのだ。声も出ない。こんな所を登るのは人間ではない。
 一の倉沢出合に停まっている車が見える。あそこから標高差1,000mをロープを頼りに登るんだ。○は絶対にできっこない!
上から覗くだけでも、スースーするのだった。
絶壁に咲く花

 誰にも邪魔されずに可憐に花を咲かせる。ハクサンイチゲとハクサンコザクラ。
見事な雪渓

 ちょっと押したら一気に落ちていきそうな雪渓と絶壁に咲くハクサンイチゲ。写真を撮るのも恐い!
一の倉岳へ

 地図での1時間にはどうやら騙された。1時間かかってやっと最低鞍部に到達。鎖ありで楽しい所だが相棒にとっては、こういったところは大嫌いで泣きそうな場所だ。シャクナゲの微笑みさえもあざ笑いにしか聞こえないそうな。頑張れ!もう少しだ。
チングルマ



??3輪だけ見たけど何だろう?
ツマトリソウ
 今回の山行では2輪しか見かけなかった

マイヅルソウ
 これだけの大きな花は数少ない。

一の倉岳 (標高1,974m)

 最後の急登は辛かった。やっとたどり着いたが笹藪の中。1〜2人がやっと入れる避難小屋(小屋とは呼べない?)がある。これでも厳冬期には何人の人が助かったことか。
 
 昼食のうどんを作ろうと思ったが、既に水は一人1リットルを飲み干しているので水不足となり中止。結局水は一人2リットルを飲み尽くす事になる。
一の倉岳から

 茂倉岳(標高1,978m)まではまだまだ時間がかかる。縦走でない限りこの先まで行くのは危険だ。帰りの時刻が迫っている。
 オキの耳(手前)、トマの耳(向こう)までまたアップダウンを戻らなくてはならない。1.5時間はかかりそう。はぁ、遠いところまで来てしまったなぁ。
  あれ?

 もう、しっかり疲れたね。帰りも3時間以上かかりそうだし、、。はぁ、、、ため息。

では、帰りましょうか

 楽しかった谷川岳。残雪が綺麗だった回りの山々。谷川岳はロッククライマーでなくても何かが魅了してくれる。四季折々の美しさがありそうだ。また来ようか。
 じゃ、きょうの所はバイバイね。
 感動をありがとう。

 「あ、あそこに関越道の排煙用の煙突が出ているね」。自然破壊だ。困ったもんだ。
  今日の風呂は「風和の湯」 (月夜野町上牧)

 ユテルメ谷川には2度行ったし。ホテルは18時で終わり。利根川のせせらぎを聞きながら、人気のない静かな所である。入浴料は550円。露天風呂は小さく、大人二人でいっぱい。入浴客が少ないのがいい。風呂上がりに冷たい水がなかったのが辛かった。ビールを飲みたかったが、自宅まで我慢、ガマン!