第1部 上高地〜涸 沢

プロローグ

  前夜発。集合場所の八王子は大雨。さい先悪しも八ヶ岳SAから先は天気が回復。やったぁ。沢渡村営第2駐車場にテントを張っり、寝酒をあおり仮眠。今回は、久しぶりに女性陣のSさんとOさんが参加してくれたのでMMX−F号が現れた。久しぶりの再会で話題は豊富だが睡眠時間が2時間しかない。
 4時起床。「う〜ん、眠いよう。もうちょっと寝かせて。お酒が残ってる」「ダメ、起きろ!」。沢渡はガスの中。タクシーで上高地へ。運ちゃんに「紅葉にはちょっと早いですかねぇ」と言われる。でも、ここに来て引き返すわけには行かないもんねぇ。

 5時にゲートが開く釜トンネルを抜けて上高地に入る。山の上は雲が厚くたれ込めているが、今日の天気予報で快晴は約束されたようなものだ。

 今日は涸沢までののんびり旅だ。ゆっくりと自然の空気を吸いながら歩こう。

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上高地   6:07 

 まだ夜が明けきない午前5時40分、上高地の駐車場にタクシーが着く。すんげえ人の多さ。「登山届けは必ず出してください」と係員が声を荒げている。団体を乗せた観光バスが続々と到着する。いつもの変わらぬ上高地の風景である。あら、こんなところに上高地の看板があったんだ。(^^ゞ
パッキング

 さっさと出発準備しましょうね。その前に朝食も。行くべきところには行かないと後が恐いしぃ。うっしっし、ここにいない人のザックに共同装備を入れてしまおう。知らぬは本人ばかりなり (^_^)v
さ、そろそろ出発するよ

 
出発前のストレッチ。ただおしゃべりするだけではダメだよ。しっかりとアキレス腱を伸ばしたり、太ももを伸ばしたりしないとね。寒さで筋肉が縮んでしまっているよ。

梓川の朝

 
梓川もまだひっそりと眠っている。上の方は雲がたれ込め怪しい雰囲気。静寂を破るのは団体バスから吐き出される散策とおぼしきうるさい奴ら。まったくもうキャーキャー騒ぐなよな。
河童橋

 
上高地のシンボルである。幅3m、長さ36mの木の吊り橋で橋上から眺める穂高のすばらしさから写真の被写体、テレビの映像で使われる有名な風景。最初にかけられたのは明治42年のことでその後何度かの架け替えを経て現在に至っている。

 上高地ビジターセンター(無料)は8時からの開館なのでまだ締まっている。新ビジターセンターは10月のオープンを待っている。
親子?

 
「親子の御対めーん」なんちゅう話はありません。まだ身体が暖まっていないのでこのとおり厚着をしている。標高1,500mの上高地はこの日の気温は5度。早くも冬の訪れを予感させる。
  やっと明るくなってくる  6:47

 ガスもいつの間にかなくなりつつある。今日はいいお天気になるぞぉ。日焼け止めのお化粧もしなくっちゃね。明神までの足乗りは軽くハイピッチで歩く。

アミノ○イタルプロ   明神  7:00

 
「飲んでますか?、アミノバイタル」運動する前後にはサプリメントを補給するのが今や常識。自分専用のサプリメントを持っていない人は市販のサプリメントで我慢しよう。中でもこのアミノバイタルは疲労しにくく筋肉痛が軽くてすむと評判の商品。「あら、私たちは3年も前から愛用したのに、最近はどこに行っても売り切れで困るわ」。中でもプロが品不足状態です。
徳沢   7:50

井上靖が有名な小説『氷壁』を書いた場所で「氷雪の宿」とし有名。ここの名物はソフトクリームであるがまだ営業していないので水を飲んで我慢する。ここの水は冷たくておいしい。
徳沢での休憩

 徳沢は牧場跡でキャンプサイトは牧草地が生い茂っている。この日のテント数は数個だが翌日は30張りぐらいに増えている。ゆっくりとここらで遊ぶのも上高地の楽しみ方かもしれない。ところで、この二人はどう見ても兄弟にはなり得ませんね。ガハハ。
もうすぐ雲が切れるぞ

 向こうに見えるのは蝶槍のあたりだろうか?雲がぐんぐんと切れ上がって行く。ますます天気はよくなり最高の秋日和になりそうだ。
新村橋   8:15

でいいですよぉパノラマコースを降りてくればここに出る。今回は天気さえよければ涸沢からの下りにこのコースを利用する計画である。これも楽しみの一つである。
 横尾で休憩  9:00
明神岳と屏風岩

 
真っ赤に塗られた横尾大橋の周りはまだ草が生えきっていない。キャンプ場が河原からちょっと引っ越してきている。屏風岩がデーンと構え、奥には明神岳がにこやかに笑っている。
横尾で休憩

 朝食のおにぎり、誰かが持ってきてくれたミカンでにぎやかに朝食。このままずっとここで昼寝したら気持ちよさそう。ところでこの写真季節感が変だと思いませんか?夏の格好と秋の格好と冬の格好が入り交じってます。気温は14度くらいです。(^_^)v
堂々としてますが

 
ちょっと太りましたぁ?どうも顔のあたりがふっくらしてますけど。いやぁ、ちょっとお多福なんだよ。(。_・☆\ ベキバキ
日陰は寒い

 
若者はTシャツで過ごす。日が当たっているところだけ暖かいが日陰にはいるととたんに寒くなるのでけして日陰には寄りつかない。化粧をする人だけ日陰に走る。(^_^)v

 
水洗トイレが完成していたが、あいにく清掃中で利用できず。

いよいよ涸沢に向かう  10:00

 9時半に横尾を出発。これからが今日の本番。しばらくはこれまでの延長だが、少しずつ高度が上がって来る。天気はますます回復し、ほぼ快晴となる。やっぱり日頃の行いがいいんだろうな。
私たち涸沢は始めてなの

 
あこがれの涸沢に来ることができてうれしいんです。天気も最高だしメンバーもいいし。(^^ゞ  ところで、あそこに見える山は何ですの?教えてくださいます?
正面に見えますのは

 
左手が屏風岩。ロッククライミングに自信のある人だけに許された聖域です。で、正面が北穂高岳(3,106m)です。涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳はずーっと左の方に回り込んでいかないと見えません。解りましたか?
北穂高岳

 
今回の目的の山です。昨年の奥穂高は天候に恵まれず、山頂は征服したものの、展望は全くだめでした。今年は期待できます。今からわくわくしているんです。登山ルートは左手の稜線です。(^_^)v
涸沢本谷橋  10:35

 
渋滞は5分ほど。一人づつ
渡るので時間がかかる。ここ
で休憩と思っていたが、リー
ダはずんずん先へ進んでしま
い、ここでは休憩できず。

サルが陣取っている

 野生の猿が3匹で登山道の脇を闊歩している。柔らかい草の芽を食べている。試しに「お手!」と言ったら、牙をむいて猛然と突進して来る。なんてこったい、ここの猿はおっかないねぇ。
Sガレ場付近  12:08

 涸沢ヒュッテの鯉のぼりがわずかに見え隠れする場所までくる。もう少しだけどこれがつらい。でも今回は荷物が極端に少ないのでラクチン。テントもない、食料もホドホド、ストーブぐらいしかない。学生諸君は110リットルクラスのでかいザックを背負ってフーフー言っている。このあえぎが何ともいいんだよなぁ。エールを送ろう、がんばれ、若者諸君
あっ、秋の色が

 ちょっとだけ気の早いダケカンバが色づいている。ここには秋の色ができています。澄み切った青い空気に真っ赤な秋の色です。これを見るためにわざわざやってきたのですから。もっともっと色づいておくれよ。
屏風もそまれ秋色に

 屏風岩は残念ながら緑一色。このダケカンバと一緒に赤く燃えてくれよ。涸沢が真っ赤に燃えるのはやはりもうちょっと後らしい。ううむ、今年も少し早すぎたか、、、、、(; ;)ホロホロ
涸沢への入り口   12:20

一息で涸沢に着く。左に行けば涸沢ヒュッテ、右に進路を取れば涸沢小屋。今年は涸沢小屋を予約してあるのでここから右に折れて進みます。何となく全体的に黄葉になっているような気がしませんか?
涸沢キャンプ場

 国設のキャンプ場。500張りの収容能力。山小屋の収容人数より遙かに多くのキャンパーを迎えてくれる。後方は涸沢岳。明日の天気もこうであってほしいな。
はぁ、1年ぶりの涸沢だわぁ

 昨年も涸沢に着いたときの天気はよかったのよね。翌日はガスの中を奥穂高に登ったんだからぁ。今年だって解ったもんじゃないわ。まして昨年もメンバーはそのまま残ってるんだから。(^^ゞ
わぉ、涸沢だぜぃ  12:30

 うふ、初めての涸沢なのにこんなにいい天気が迎えてくれて「私たちってツ・イ・テ・ル」ね。やはり日頃の行いの良さが自然と出るのよねぇ。それにしてスケールが大きいのにはびっくり、実感できるわ。
長野県警山岳警備隊

 山岳警備隊の隊長かと見間違うほどの貫禄。どっから来るのかねぇ。涸沢をこの格好で腕章つけて回ったらかっこいいよ、きっと。将来の職業を見つけたね。(^_^)v  「モシモシ、君たち、若き女性同士では危ないよ」

かくして保護されたりして・・・

 
「私がエスコートしてあげるからね、心配しなくてもいいよ」
 
「え〜??よけい心配だわ」
 
「こんなに親切なおじさんはいませんよ」
 
「ホントにぃ??」 (疑いのマナコ)
はは、何を隠そう、私も涸沢は初めてダス

 
槍には行ったけど、涸沢から穂高へ初めてなんです。だから嬉しくってしょうがないのです。自然と顔がほころんでしまいます。うっふっふ。それにしても涸沢ってすばらしいところですねぇ。
歩荷隊は行く

 正面は涸沢岳と涸沢槍。白出沢のコルには穂高岳山荘が建っている。今日の宿泊はすぐそこの涸沢小屋である。もう着いちゃうよぉ。フーフ−、、、、と。
あは、着いちゃった

 先行する人が宿の手続と個室をうまく確保できたかが心配ではあるが、ココまで来てどたばたしてもしょうがない。もうゆっくりいこうよ。

涸沢小屋

 今年7月20日に建て直され、新しい小屋に生まれ変わった。個室を希望して予約したけどさてどうなるのだろう。

 この時点では1畳に4人という悲惨な結末を迎えることになろうとは誰も思っていない。そこが地獄の一丁目だ。右から2番目の8畳くらいの部屋に28人も押し込まれる悪夢に遭遇するのはすぐこの後なのに。
さっそく生ビールで乾杯   12:50

 涸沢小屋のテラスで飲む生ビールは格別。天気も上々、言うことなし。「プハー、うめぇ。このために登ってきたんだもんねぇ」、左党には答えられないこのうまさ。あ〜、極楽ごくらく、って温泉じゃないよ。
涸沢小屋名物おでん

 大根が一番人気なのだが、なぜか500円でのセットメニューに変わっている。ま、おいしいから許してあげよう。ところで、このおでん、キャンパーがコッフェル持って買いに来る。夜になると真っ暗な階段を上ってくる。帰りに階段でこけておでんを落としてしまうドジがいるらしい。あはは。
あちゃぁ、大混雑だ

 荷物を部屋に持ち込むことはできない。大量のアルコールも外でしか飲めない。悲惨。靴も外。だって部屋の中には荷物をかける釘1本もないのだ。で、串刺しの互い違いでしょ?頭と足が前後から重なるわけ。寝ろ、言うほうがムリ。長い夜をまんじりともせず寝れないことほど苦痛はない。2度と経験したくない悪夢の山小屋となる・・・・。涸沢ヒュッテはそれでも1畳に2人だったみたい。建物は古くてもヒュッテにしたほうが正解だったようだ。もう、泣きたくなる長い夜になるのです。
もう一つの名物はソフトクリーム

涸沢小屋のもう一つの名物となっているソフトクリーム。格段うまいとは思わないが、なぜか人気がある。やっぱそりゃ、希少価値だからでは?下界ではいつでも食べられるが山となるとなかなか食べられないし。また、上高地から登ってきて疲れているから甘い物をほしがるところでもある。そういった相乗効果があるだけじゃん。(と思うがどう?)
へん、そんなもん食わねえよ

 「おいらは、ビールのほうがいいよ」
 
「あらぁ、おいしいわよ」
 
「だってソフトクリームなんてチャンチャラおかしいよ」
 
「じゃ、あたしが全部食べちゃうわよ」
そんなに言うんなら食ってやらぁ

 「お、なかなか行けるじゃん、なんでぇ最初からうまいって言わねぇんだよ」
 
「あらぁ、言ったわよぉ」
 
「そうかぁ、でもこれ食ったら胸やけしそうだな」
涸沢の夕暮れ   16:20

 夕食はなんと16時から食べる。いくらなんでも16時の夕食は早すぎるよ。病院でもあるまいし。とは言いながらも最後の夕食は20時半のスケジュール。食堂は7回転もする混雑ぶり。朝食も3時から並ばねば。あ〜、ヤダヤダ。

 涸沢に夕暮れが迫る。写真は前穂高に当たる夕日。この後ガスがかかり虹も出たのだが。
テントの花

 
キャンプ場には色とりどりのテントが張られる。今夜は0度近くまで冷え込む予想。羽毛服持参で防寒対策は充分のようだ。この混雑ぶりを考慮すれば来年はテントだな。奥の方に見えるエスパースは常設の貸しテントになっている。

 夜が更けると、オリオン座がきらめく。すばらしい星座が楽しめる。部屋の中では眠れない一段がもぞもぞと気をもむ夜は更けていく。

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