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 今年の北海道北部は異常気象だ。飛行機は稚内に着陸できないし、
稚内からのフェリーはひどく揺れるし。
 おかげで、後発組の5人と一緒に利尻富士に登る予定が狂ってしまった。
 なんという神様のいたずらであろうか?
 それとも、雨男の力が強いのか?

日時:平成11年8月2日(月) 4:15〜16:00
利尻山(1,719m) <--- 本当は南峰の1,721mが山頂だが危険なため北峰
       周囲は約63km、最高地点はもちろん利尻山の1,721mである。
      「リシリ=高い山」(アイヌ語)の通り、元々島であったところに火山ができた。
       「左右に伸び伸びと稜線を引いた美しい山であった。利尻島はそのまま
      利尻岳であった。」--------深田久弥の日本百名山より

標高差 1,719m----海面に足を浸けてから登るこだわりの山
参加者 Tomiパパ、Tamaさん、ペさん、ツッチさん、○×2
       (ヨシさん、
Tomiママ、ネコパパ、ネコママ、Ozuさんは第2登頂隊)
標準時間
       1時間       5時間       5時間
  鴛泊───北麓登山口───利尻山─────登山口

利尻合同登山隊唯一の集合写真
 この写真は8月3日の午前4時の写真。第2登頂隊を見送る第1登頂隊。
 本来8月2日に全員で登山する日程だったが、飛行機が2日続けて稚内に
着陸できず大幅に日程が狂ってしまう。8月1日の夕刻に全員が利尻に集合
することができず、第1登頂隊と第2登頂隊に分かれての登山となる。夫婦で
泣き別れになったカップルも・・・・
 幸い全員登頂はできたが、1日目に比べれば2日目は天候が悪く、視界不
良となる。
 第1登頂隊は、雨雲の間隙を縫って、晴れ間のうちに登頂に成功。
 往復12時間という長丁場に耐えたかいがあるというもの。

利尻・鴛泊ペシ岬
 礼文に渡るフェリーは激しい揺れで船酔いをしてしまう。礼文から
利尻に渡るフェリーでも船酔いすれば最悪の状態となるところだが、
幸いにも○は大丈夫だった。後続が8月1日に稚内に到着できない
ことが解り、この岬に登って稚内方面を望み、恨めしい空を眺める。

 このペシ岬は、鴛泊港に突出した岬で、高さ93mの頂上からは
360度の展望が楽しめる。ものすごい風で吹き飛ばされそうにな
りながらしばらく利尻の夕べを味わう。

5:00 利尻北麓野営場(220m)
 3時起床。昨晩から降り続いていた雨が上がり、山頂も見えている。「よし、決行」の声で、準備。
 4時出発。真っ暗な中で、海面に足を浸け、何時間かかるか解らない未知の登山に向け、不安
抱きながら歩き出す。途中ですっかり夜が明け、北麓野営場(3合目)に着く頃には汗が噴き出す。

 キャンプ場には、沢山のテントが張ってある。バイクや自転車で来る人が多いのだそうだ。
 登山届けは、民宿に出してきたのでここで出す必要はない。

甘露泉
 冷たくて甘い水がこんこんと湧き出ている。さすがに、日本名水100選の水はうまいっ。朝食抜き
だったのでおにぎりを1個頬張る。お茶代わりの水がなんともいえない。この先は水がないので、
しっかりボトルに補給してから出発。

 ペイさんが作ってくれた「ゆで卵」もうまい。元気が出てくる。

 ここから先は本格的な登山道となり、昨夜までの雨で足下がぬかるんでいるのでスパッツをつけ
る。

6:10 5合目(420m)
 乙女橋というかわいい橋を渡り、4合目を通過する。4合目はポン山・姫沼
ハイキングコースとの分岐になっているが、気が付かずにす通りしてしまう。
 振り返れば、礼文岳(490m)と同じくらいの高度に到達している。雲の上に
浮かぶ礼文岳もいいもんだ。
 周りの人々の間から「サハリンが見える」と歓声が上がるり、○も目を凝らし
見るが○には見えなかった。心眼でも無理かなぁ? (.u')★\(^^;)baki!!

 まだまだ、1300mも登らねばならないのだ。さ、先を急ごう。

7:20 7合目(800m)

 このあたりが精神的に一番疲れるところだという。ダケカンバ、ミヤマハンノ
オキの針葉樹林帯トンネルをくぐり抜けると、ぽっかりと空間があく。7曲がりと
呼ばれる7合目だ。ポン山、姫沼がはるか下にある。鴛泊港の先にペシ岬も
しっかりととらえる事が出来る。

 早くもおにぎり2個目にありつく。心地よい風が吹き抜けて気持ちいい。
この地は周囲も自然だらけであり、開発の手に染まっていないようだ。
 このまま、ボケーとし景色を眺めていたい衝動に駆られる。

8:30 8合目(1,230m)

 既に登山開始から4時間が経過。未だに山頂は見えない。ジグザグの急登を
山頂に思いを馳せながら、あえぎあえぎ登ると8合目(長官山)にたどり着く。
 ここまでの苦労がやっと報われた感じがする一瞬だ。目の前に、山頂がやっと
姿を現す。雪渓を抱いて静かにたたずんでいる様は、結構威厳がある。
 最後の急登が荒々しく見えるが、あと2時間もすれば征服して見せるさ。待って
いてくれよぉ。
 心は既にここにあらず、早く上へ上へ・・・・・

9:15 9合目(1,300m)
写真左:8合目
        今日はTamaさんの「自然観察指導員」の腕章の元、
       登りからゴミ拾い。手ぬぐいとか手袋とか塗れたゴミが
       多く、重量がある。普段は下りにやるんだけどね。^_^;

写真右:9合目
        ここまで来るとさすがに風が強く、寒い。看板に「これ
       からが正念場」と書いてある。よぉし、もう一息だ!
        最後の気合いを入れて、元気に出発。

9:45 沓形合流地点付近(1,500m)

 荒々しい山頂が次第に近づいてくる。山頂から中腹にかけてすさまじい崩落
の中にそびえる岩稜、岩壁に思わず唾を飲む。おっ、やばい、山頂付近に雲
が出てきた。ここに荷物をデポして山頂往復すれば楽そうだが、誰も荷物を置
いて気配がない。しょうがない、担いでいくかぁ。

 この先、登山道は深くえぐれ、ガレ場の急登が連続する。1歩分進むのに
3回ぐらい足を先に出さないといけない。タイガーロープにすがりながら、最後
の力を振り絞る。山頂はもうすぐだ。

カンチコゾリナ
 
9合目から先はお花畑でも
ある。黄色、白、紫、桃色と
色鮮やかな高山植物が咲き
誇っている。

イワギキョウ
 あちこちに群生が見られる
が、山頂近くの群生がすばら
しい。チシマギキョウとの見分
け方は、花に毛があること。

イブキトラノオ
 どこの山でも見られる代表的
な高山植物。虎のしっぽに似て
いることからこの名がついたら
しい。

利尻山頂に着いたぜい
 
山頂は先客でいっぱい。三角
点にタッチし、第1陣全員と苦労
をねぎらい固い握手。
 持参のブランデーを甘露泉で
割り、乾杯! おぉ、最高!
 ガスが少し高くなってきており、
360度の展望とはいかないが。

10:15 山頂には祠が・・
 切り立った痩せ尾根を越える
と、あっけなく山頂に飛び出る。
 海面に足を浸けてから6時間
と15分でやっとたどりついた。
この為に今年の半分は明け暮
れたのだ。つらかった企画も、
やっと報われた気分。

何はともあれ食い気が・・

 山頂でなんと45分もゆっくり
してしまう。おにぎりはなくなり、
水もなくなった人もいるぞ。
 登頂の感激を家で待っている
家族に電話する人もいる。
 ゴミは全部持ち帰るんですよ。

時折下界が・・・
 
ガスが一時的に切れると、下界が
一望できる。鴛泊から、ぐるーっと、
沓形も見える。フェリーが入港しして
来るのが見える。第2登頂隊もあの
フェリーに乗って来るのだ。早く歓迎
してあげなくては。

礼文島は遙か下方に・・
 よくもまあ、こんな絶壁を巻き
ながら登ったものだ。見下ろせば、
足下からスパッと切れ落ちている。
 遠くには、礼文岳が頭だけ出して
いる。礼文島全体が雲の上にぽっ
かりと浮いているようにも見える。

11:00 下山開始 ローソク岩
痩せ尾根を通過して、振り向けば
そこには、ローソク岩がデーンと鎮
座している。軽快に下るが、ガレ場
では何度も転ぶ。シャツを1枚ずつ
脱いでどんどん高度を下げる。
 最後の水を5合目で飲み干し、
甘露泉までの道のりが遠い。

16:00 北麓野営場
 恋人に会ったかのように、甘露泉の水に抱きつく。「うめぇ」。我を忘れて、
ひたすら水を食べる。・・・・やっと、生き返る。はぁ。第2陣の為に、宿に水を
おみやげに持ち帰る。
 宿に電話したら迎えに来てくれるとのこと。やったぁ。ついでに「利尻富士温
泉」まで送迎してくれる。疲れた体には温泉が一番。露天風呂から眺める利尻
山頂もにっこりと笑っているような気がした。
 第2陣を港に迎えに行くことが出来なかったが、宿で10時間だけのつかの間
の会話をしする。そして、第2陣は翌朝4時に我々と同じルートから登頂を目指
すことになる。情報過多で困ったかな?気をつけて行ってらっしゃい。



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