この7月に白馬岳に登ったばかりなのに、その帰りに、「次は槍ヶ岳だぁ」とだだをこねるジーダァの言動に「我もあたいも・・」と希望者が殺到し、あっという間に11名ものふとどき者(休暇)を排出してしまった。^_^;  今回は晴男・晴女の集団だったようで(参加していないのはだぁれ?)3日間とも快晴という、まれにみる好天に恵まれた。先月来の群発地震で浮石が目立つという情報もなんのその、恐れをしらないMMX登山隊は己の実力をもわきまえぬ無謀とも思える槍ヶ岳登山を強行するのであった。何せ初めての北アルプス、どうなることやら・・・

山行日時:平成10年9月12日(土)〜14日(月)
メンバー:ペ(L),イシ,ヨシ,ネコ,OZU、Muto,Tomo×2、Buchi,○×2
天候:3日間とも快晴
目的:紅葉の走りを一足早く体験してしまおう
けが人:なし(危なかった)^_^;

穂高連峰 上高地から穂高連峰

 前夜、夜行列車での出発に新宿駅で後輩たちに盛大な見送りを受けたり、八王子であやうく電車に乗り遅れそうになったり、新島々から上高地行き暴走バスに乗り合わせたりと波乱の幕開けで今回の槍紀行は始まる。 あぁ、夢にまで見た釜トンネル、大正池、焼岳、「うん、これが上高地だ」。 あくまで澄みきった梓川の清流。「あぁ、北アルプスに登るんだ」って心はわくわく\(^0^)/、既に槍の穂先をイメージしている。(^^)
案内板 すぐ目の前にあこがれの穂高連峰が

 バスは2台分乗になったため、上高地で後続のためにお湯を沸かしてコーヒーを準備し、河童橋が見える梓川の河原まで行ってみる。雲一つない朝焼けの穂高連峰、一濁の淀みもない梓川、上高地の代名詞でもある河童橋が盛大に歓迎してくれている。河童橋の上には明神、前穂、奥穂の日本を代表する3000m級の穂高連峰がすぐそこに迫っている。左手には西穂への稜線が続き、焼岳が最後を受けとめている。いきなりこんなにすごい絶景が飛び込んで来るなんて、もう○ちゃん感激!ウルウル!
横尾にて 横尾<標高1,660m>まで3時間

 いよいよ槍を目指してて弟1日目の出発。横尾まで10.3Km(約3時間)の道のりは緊急車両のみが入れる散歩道。明神館<標高1,530m>で最初の一本。徳本峠の分岐では、その昔は誰もが徳本峠を越えて上高地に入ったんだなぁと感激し、古池では鴨が遊泳している。梓川は蛇行を繰り返しその優美さを誇示しているかのようだ。徳沢園<標高1,560m>のキャンプ場は緑の絨毯。新村橋はパノラマコースの特権。前穂高(3,090m)が正面に見えてくる。屏風岩も見える。岩に張り付いている人の姿は見えない。 横尾<標高1,660m>で大休止。ここは、槍・穂高・蝶の交差点。前穂と屏風岩をずっと眺めながらの食事はおいしい。河原に降りて水遊び。「うわぁ、ひゃっこい」「ちびたい」

槍見河原<標高1,710m>

 上高地から歩くこと5時間、最初に槍の穂先が見えるという槍見河原に到着。「どこどこ?」「槍はどこ?」状態。(あなたには穂先が見えますか?)
 木の間越しにちょこっとだけ穂先をついに捕らえる。これでも望遠で撮ったんですよぉ。「ぇ〜え?まぁだあんなに遠いのぉ?」(あと8kmほどある)と思うくらいずーっと先の方にある。ガックリすると同時に、昔から密かに思い描いていた恋人に会いに行くような何とも言えないせつない?気分。
 一ノ俣出合いで丸木橋を渡り、二ノ俣出会いをを釣り橋で渡る。「安全のため一人づつ渡って下さい」の看板なので2人で渡った。(。_ )★\
 梓川には大きな岩魚がゆらーりゆらりとのんびりと泳いでいる。
ババ平 ババ平  (ここから2日目)

 谷が深まり、林の中に急に槍沢ロッジ<標高1,820m>が出現。今回の山行は山小屋泊とキャンプ泊に分かれる。小屋組は槍見平まで散歩、入浴、食事と順調。外は満天の星。頭上からまとめて降ってきそうだ。テント組はババ平<標高1,980m>まであと30分。山小屋組との別れは寂しい。むっとするような暑さにややバテ気味。ロッジで買ってきたビールで乾杯。テント組にゆっくりしている暇はない。テントの張り方、ザックの処理、荷物の整理、水置場、火の場所などなど、テント泊の実践教室。 今日の夕食は贅沢な豚汁。明朝、山小屋組にも振る舞う。ご飯も芯が残らないように炊ける。さすがMutoプロ。山々が夕日に真っ赤に染まり槍沢の夜。テントから首だけ出して夜空を眺めていると「ずっとこのままでいいや」という気分。真っ暗な中で満天の星空を一人で独占。
 朝、ロッジ宿泊組を定刻(5:30)に歓待。笑顔で「お疲れさまでした。暖かい豚汁が準備できておりますのでゆっくり食事して下さい。コーヒーも入れまぁす」。 モルゲンロートで山々は赤く色づき初秋の色と相まって幻想的な秋色を醸し出している。
天狗原 大曲り<標高2,100m>付近

 正面は東鎌尾根が壁を作り、槍沢は大きく曲がっているので、このあたりからは槍の穂先はまだ見えない。登山道は次第に傾斜を増し、上の方は早くも黄金色に色づき始めている。
 天狗池分岐<標高2,350m>にさしかかる。池があると言うので感覚的に池は下の方だろうと思うのだが、天狗池に行くには分岐から更に登らなければならない。正面には大喰岳(おおばみだけ)、中岳が黄色く色づいている。ここらが紅葉の走りのようだ。梓川の源流となる滝も流れている。
紅葉  天狗池分岐付近

 ガレ場はすでに紅葉の走り。ナナカマドが真っ赤に染まっている。周りの高山植物も黄金色に波打っている。まだ9月中旬だというのに槍の中腹はすでに秋の気配がいっぱい。
 美女たちも「またこうようね?」などとじゃれあっている。
グリーンバンド<標高2,650m>

 夏の間は一面のお花畑であったろうと思われる急登を3ピッチかけてやっとのことでグリーンバンドに到着。おぉ、槍がついに正面に姿を現す。感涙!ここからの槍は絶景。
 よく雑誌の写真に載っている槍はどうもこの角度から撮影したものらしい。至近距離からの全景がモレーンを従えて堂々と輝いている。空はあくまでも紺碧、雲一つない快晴。
もうすぐ 殺生小屋分岐<標高2,850m>

  坊主ノ岩小屋(と言っても小屋がある訳ではない。岩が有るだけ、つまり岩室)で、しばし播隆上人の槍開山に思いをはせる。岩室から仰ぎ見る槍ヶ岳はまた一段とその勇姿を誇っている。果たして穂先まで登れるのであろうか?と不安がよぎる。槍の肩まであと1.5km(ペイントで残り距離を教えてくれている)、標高差390mであるが、とても40分では登れそうもない。そろそろバテ気味の体に(--)/~~~~~~~ビシッと気合いを入れ直して頑張る。  
殺生小屋 VIEW 槍の肩<標高3,060m>

やっとのことで肩に到着。すごく長い道のりだった。山小屋組は今日も個室。いいなぁ。テント組は、岩場にテントを張る。こわ!
 

 
VIEW VIEW
VIEW
槍の肩からのパノラマ 手続き完了。では穂先に向かいます。久しぶりに手袋着用。しっかり者はヘルメット
穂先へ 槍の穂先へ

 ルンルン気分で穂先へ向かう。播隆上人がつけてくれた鎖?を忠実にたどると安全に山頂に立てるはず?だ。アリの行列よろしく、登りと下りが一緒になっているところは大渋滞。切り立った崖で足がすくむ人。そんなに簡単には登らせてくれないよ。
グリーンバンド 落石発生

 ちょっとしたことで事故は起きる。山頂直下30mくらいの梯子で落石だ。上から降りてきた女性が、ちょっとだけ足を滑らせた瞬間、ガラガラというものすごい轟音。○の脇をヒュッと石が飛ぶ。思わす「ラーク」「危なーい、避けろぉ」と手で合図。数100個の大小の岩辺が後続の人に降って行った。一瞬にして地獄の絵巻物。岩陰の一人が頭から血を出して倒れている。最悪!下から山岳救助隊。Kさんがすぐに自分の三角巾を出して止血。そのうちに救助隊が登ってくるのが見えた。これで、足がガタガタ震える。
槍ヶ岳 槍ヶ岳山頂 \(^^@)/

 先ほどの落石事故の恐怖がさめやらぬまま、メンバー全員無事に山頂までよじ登った。最後の梯子は怖かったよぉ〜。  そんなこんなで、ついに穂先<標高3,180m>に立つ。
 周りは当然のごとく360度の大展望。見渡す限りの山々。山頂は4つの尾根を従えて堂々としている。ううむ、やっぱり槍はすごい山だ。冬なんかとても無理だけど。
槍ヶ岳 槍ヶ岳山頂での記念撮影

 もちろん360度の展望なのだが、先程の事故が頭に焼き付いているのでもう一刻も早く下山したいという気持ちがはやる。山頂は10名ほどしか立てない。取りあえず記念撮影。 下山は、自分が落石を起こしそうで心臓がドキドキ。先程の現場には鮮血な生々しくついている。
 
長野県警山岳救助隊 救助のヘリ

 下りの梯子や鎖は慎重に降りた。これほど緊張したのは何年ぶりだろう。登りの登山者には危険個所を知らせて、浮き石が多いことを告げながら下山。
 長野県警のヘリコプターが松本方面から飛んできて、山荘のヘリポートに着陸、数秒で先程のけが人を乗せて飛びたった。そのカッコイイことったりゃありゃしない。まるで映画を見ているようだった。  「あ〜、ヘリに乗りたかったぁ」。  夜遅くまで、テントで歓談。


ご来光 槍ヶ岳の御来光  (3日目)

 
5:39、夜のしじまの静寂を破って、常念岳の左手に太陽が昇る。思わず合掌。神秘的な御来光の瞬間だ。槍の一部からのご来光もまた格別だね。正面には八ヶ岳、右手には富士山、北岳も雄姿を見せている。穂高連峰もモルゲンロートに染まっている。
 穂先に登って御来光を見ている人も結構いる。

では、ゆっくりと降りるとします。



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