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このみさん◎
(※)投稿日 2005年11月19日



轟天号のプラモは、現在ではフジミの1/700のモノが、入手し易く手ごろでプロポーションもよく、
可動ギミックも有りで素組でもかなりの完成度が得られ、選択パーツも豊富で製作方法の発展性
まで充実していて文句無しの決定版モデルと、言えると云えば言えますが、でも違うんです!
この今回のジオラマで作成した場面は映画「海底軍艦」より、轟天号が試運転で海中から姿を現し、
空中へ飛翔するシーンを再現したものです。「海底軍艦」の中で使われた轟天号のミニチュアは
大小4種類あったそうですが、その種類によって細部はもとより全体のプロポーションまで微妙な
違いがあります。そしてこの試運転のシーンに浮上してくる轟天号はフジミのモデルとは明らか
に違うカタチをしているように私は思うのです。どーゆーことかと申しますと、フジミの轟天はとても
スマートでカッコイイのですが、このシーンの轟天はもっとずんぐりしているように私は見えるのです。
それは今回の作品で使用した1/800オオタキの轟天号のようにであります。
発売当時の値段がフジミの1/5程度の500円と、とってもお手頃価格なのはいいのですが、
内容も1/5くらいなので製作には5倍の手間が掛かりました。ただこのオオタキの轟天号は可動
ギミックはありませんがディスプレイに徹した作りで、なんと組立説明 書の最終行程には本体と
ディスプレイ用スタンドを「接着する」と指示があります。 恐れ入りました。では製作過程です。
まずドリルですが、ただの階段状になっていてこれじゃ掘れないだろって形態になっているので
ディティールアップ。エバーグリーンの細切りプラ版を巻き付け、一度ポリパテで段差を埋めて円錐
を削り出した後、凹部を彫り込んで丸ノミでえぐったような凹ラインを再現。フジミのスタンダード版の
ドリルは円錐に帯が巻き付いたような表現になっていますが、あれもちょっと違う気がします。ドリル
先っちょのハンマーは先端が垂直に落ちていて実際と違うので鋭角に切り込み、冷線砲の発射口を開口。
艦橋はフジミのとはまるで違いますが、普通はもっと幅太な艦橋もこのシーンのヤツは縦長くて全体の
形状はこっちが近いのです。ただ 細部はデタラメで横の潜舵が下側に折畳むような作りになっていて、
(実際は上に畳まれます)艦橋側面にその潜舵が畳まれて収まる凹モールドが掘られていたりします。
デッキも省略されていてマスト類は5本のところが3本しかないのでそれぞれを修正、梯子も左右2箇所
ずつ付け直しています。写真では小さすぎて分からないでしょうが探照灯も付けました。電子砲はとても
シンプルな作りで、ドームに棒が3本刺さっているという程度の出来でした。2本のつんつん(測距装置?)
を自作して砲身中央部の透明部分をリキテックスのクリアメディウムで再現しましたが、多分写真では
お解り頂けないでしょう。この砲塔が比率的にひとまわり大きいのですが、艦橋周りが勇ましくなって
雰囲気がよかったのでそのままの大きさで作成しました。次にその艦橋とドリルの間にあるカッターですが、
このオオタキのモデルは小松崎先生のデザイン画にある固定式カッターを採用しています。
映画では回転ノコでフジミモデルではそれを再現していますが、わざわざフジミの回転ノコを切り抜いて
固定カッター式に改造するマニアも多く、なによりフジミのスタンダード版轟天号の箱絵は上部のみこの
カッ ターで描かれています。故にそのままカッター式で作成しました。





オオタキのモデルを用いてこのフジミの箱絵の場面を再現した訳でもあります。次に船体ですがこれは
舷側の構造そのものが違うので諦めましたが、キールまで省略されていたので細切りプラ版で自作。
ただ船体から滴り落ちる水で舷側共々ほとんど見えなくなっています。注排水口は位置も数も違いますが、
始めから開口されているためこれを活かし、1個1個の口から排水させ、下段の排水口からはフジミ箱絵
のように勢い良く排水させてます。艦尾エンジン噴射口は、撮影モデルの種類によって配置が異なります。
この部分は劇中では3度程しか映りませんが、発進シーンのドック内で見える時は□型配置。ムー帝国
から高島忠夫達を救出した後浮上するシーンでは、私が持ってるLDでは暗くて良く見えませんけど、
ほぼ中央部から横並びに水がこぼれ落ちてるので◇型配置ではないかと思うのですが断定はできません。
1mサイズのミニチュアがこの◇型配置になっていたそうです。そしてムー帝国の動力源へ向かって地中に
潜っていくシーンで見える時は再び□型配置に戻ります。これは用途に合わせてノズルが回転するしくみに
なっているのでしょう。(違うけどね)作品では□型配置にしております。キットのノズルは8個もあって目が
回りそうなのでもちろん改造したものです。「エンジンノズルからこんなに水がでていーのかよ!」と自分でも
突っ込みたくなるぐらい水が吹き出しているので良く分からなくなってしまいました。この滝のように吹き出し
ている水ですが、先に述べたムー帝国から救出後浮上するシーンでホントに滝のようにたっぷり水を吐き
出すのです。おそらく迅速にタンク内の水を排出出来るよう、エンジン系統へ排水ラインが通って強制的に
排水するものと思われます。(違うけどね)マイティ号の浮上シーンなんかでもそうですが、 艦載機射出口
やら魚雷発射管やら穴と云う穴から水を出しまくっています。やはり海中から素早く空中へ飛び上がる為に
はこのような排水システムが欠かせないようです。甲板にも手を入れましたし、本体パーツの分割位置が
吃水線になるような作りになっていますけどこれは違うので継ぎ目を埋めて分け目を修正しました。
(ここはフジミも同じような間違いになっています)塗装も黒下地にエアブラシで仕上げ、とにかく手間が
掛かりましたがこの辺は「水」で見えなくなっています。この「水」、激しく吹き出してるのは轟天号が勢い
よく浮上して海面で一時停止せずそのまま空中へ離水するからです。(画面で観る限り私にはそう見えます)
浮き上がる瞬間はカットが変り次に轟天号が映った時はもう空中に浮いてしまっているのですが、浮かび
上がってきた時吃水線をはるかに上回る位置まで一気に浮いています。そこで強制的にタンク内の水も
一瞬で排出、垂直エンジンで強引に飛び上がるのです。このモデルはそのちょっと画面が途切れた瞬間を
再現したものであります。垂直エンジンからの噴射で本体を支えています。劇中では噴射は白色でしたが、
フジミの箱絵に合わせてクリアオレンジをエアブラシで吹き付けました。しかしこれも「水」で見えなくなっちゃ
いました。余談になりますがこのオオタキの轟天号の箱には轟天号の性能等を簡単に紹介したコメントが
書かれておりまして、これを読んで私も初めて知ったのですが、なんと轟天号は地中だけではなく地上走行
も出来るのです。その速度時速300km!150mの巨体が地上をF1マシン並の速度で突っ走る様はさぞや
豪快なものでしょう。さすが大日本帝国海軍。これさえ終戦前に完成していればあの広大なアメリカ大陸も
あっというまにドリルの餌食になっていたはずです。ドリルと云えば撮影時、回転するドリルが地面に刺さっ
た途端ドリルの回転が止まり、轟天号の本体の方が回り出すというアクシデントに見回れたそうです。
劇中ムー帝国の動力炉に向かうシーンで、地面に刺さるところから轟天号が完全に地中に没するまでを
1ショットで見せているシーンがあり、さすが日本の特撮と思って感心していたのですが、良く見ると途中で
オーバーラップして繋いで、編集していました。おそらく途中まで艦尾を押さえながら潜らせ、後半は艦首を
掴んで引っ張って撮影したのではないかと私は推察します。特撮ってやっぱ模型を使って撮ってる方が
観てて面白いと思います。「ローレライ」とか絵面的には凄いと思うけど、良く見ると質感が変だったり、
「CGって所詮アニメじゃん」とか思っちゃいます。例えピアノ線が見えても撮影の苦労も見えるのが
アナログ特撮の良さだなんて云ってる私は、時代について行けないおやじでしょうか。そんな思いもこめた、
「ミニチュア特撮の静止画」というコンセプトでこの作品を製作致しました。ベースのサイズは約31cm×約21cm。
3枚目の写 真の東宝マシンクロニクルの轟天号は大きさとプロポーションの比較用です。
と云う訳で、かなりの手を掛けて改造しておりますが、ここまでしてでもオオタキのモデルを使ったのは
やはり全体のずんぐりプロポーションがこっちの方が「試運転」のシーンに登場する轟天号に近いからです。
このずんぐりしたプロポーションは、神宮寺大佐の体型と相通ずるものがあり、私この場面の轟天号を
神宮寺バージョンと呼んでおります。「海底軍艦」観たことない人には何が何やらですね。

















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