――― ある日起こった不思議な事。―――
その日、俺はいつもどおりに目を覚ました。いつもどおりっつっても、ルシ君が起こしに来てくれるまで寝てるのが
普通だから・・・そう考えるといつも通りではないかも知れないが。
まぁ、ちゃんと普通に朝を迎えた・・・はずだったのだ。
「・・・ん・・」
ボンヤリと目を覚まし、ブラムは気だるそうに寝返りを打つ。目を覚ました≠ニはいっても、彼としてはかなり不本意な
目覚めだ。ブラムの朝は困ったようなルシフェルの声に起こされてからようやく始まるのだから。
(もうちょい・・・寝るか・・)
そんな事を思いつつ、目を瞑る。いつもなら数秒で眠りの世界に堕ちて行ける所なのだが・・・
「ぶらむさん、ぶらむさん」
髪をクイクイッと引っ張られ、それは憚られた。
(・・・ルシ君? )
自分を呼ぶその声は紛れも無くいつもと同じ。目を開けると、やはりそこにはルシフェルがいた。・・・・・が、
「・・・・ルシ君? 」
ブラムはガバッと起き上がり、目の前のルシフェルをまじまじと見つめた。
(・・ち・・・ちっちゃい・・・)
そのルシフェルはなぜか手のひらサイズだったのだ。よくよく見るとルシフェルよりも少し幼いような気もする。
ブラムは唖然としてしまった。
「おはようございます。ぶらむさん」
ちっちゃいルシフェルは丁寧にぺこりとお辞儀をする。それにつられてブラムもおはよう≠ニ頭を下げた。
「・・・ルシ君・・どしたの? っていうかルシ君なの? 」
ベッドの上でかしこまったように正座をし、身を屈めながら尋ねるブラム。ちっちゃいルシフェルはう〜〜ん≠ニ首を傾げた後で
ニッコリと微笑んだ。
「ぼくはるし≠ナす」
「・・・るし・・君・・・・」
はぁ≠ニ頷きつつもルシフェルなのかそうでないのかがイマイチ分からず、ブラムは微妙なリアクションを取る。
そして暫くそのままの体勢で考え込んだ。そうしているとるし≠ヘてまてまとブラムに歩み寄り、膝に乗り、服を伝って
一生懸命肩までよじ登ろうとしてくる。
(・・・ま、いいか)
ようやく肩に登れたらしく、満足げな笑みを浮かべているるし≠見つめ、ブラムは溜息を付いた。
考えるのが面倒になった、とでも言うべきか・・・。
「おはよ〜、ブラム・・・」
「おそようなの・・だ・・? 」
「おはようござ・・・」
簡単な着替えを済ませて食堂に行くと、既に全員揃っていた。リギィ、所長、フィアルが順々に挨拶をし、そしてその度にブラムの肩に
乗っている存在に気がつき、固まる。
その気持ちは重々理解できるため・・・説明するのが面倒だなぁ、などと思うブラムだったが・・
「おはようございます。ブラムさん」
「くぅ〜〜(~o~) 」
背後から声をかけられ、驚愕した。
振り返るとやはりそこにはいつもと変わりないルシフェルがユディトを肩に乗せて立っていた。
(・・ってことはやっぱルシ君じゃないのか・・)
思わず肩のるし≠見やり、ホッとしたような微妙な気持ちになる。るし≠ヘブラムと目が合うと、その度に嬉しそうにニパッと
笑顔を向けてくる。よほどブラムに懐いているらしい・・・なぜか。
「・・・あの・・それは? 」
本物のルシフェルが恐る恐ると言う風に尋ねる。良くぞ聞いてくれました≠ニばかりに他のメンバー達も一斉にかけ寄ってきた。
「それ≠カゃないです。るし≠ナす」
ムスッとしてるし≠ヘ言う。ざわつくメンバー達。唖然としているルシフェルに、誇らしげなるし=B
ブラムは頭を抱えた。
「・・なんつーか、起きたらいた・・・みたいな」
「なんだよそれ」
自分でも良く分からないこの事態。適当な説明をしてみるとすぐさまリギィにつっ込まれた。
「ちっちゃいルシフェルなのだ」
興味津々という風にるし≠見つめる所長。るし≠ヘあからさまに嫌そうな表情を浮かべ、ブラムの首に抱きついていた。
「見た目的には・・・僕ですよね・・? 」
当然ながら最も困惑しているルシフェル。るし≠見やっては戸惑いの眼差しをブラムに向けている。
「枕元にいたってことはサンタさんからのプレゼントだったり・・・季節外れだけど」
少しばかり無理をして冗談っぽく言ってみてもルシフェルは苦笑するばかり。よほど驚いたのだろう。・・・当然だが。
「ぶらむさん、ぼく以外の人に優しくしたらだめですよぉ」
るし≠ェ髪を引っ張る。拗ねたような面持ちで、更に続けた。
「ぶらむさんはぼくだけの、です。他の人になんか絶対あげません」
背伸びをしてブラムの頬に抱きつくるし=Bあからさまなヤキモチ、そして独占欲にブラムは複雑な気持ちだった。
ルシフェルの顔で、ルシフェルの声がそんな台詞を言ってくれるのは嬉しいが・・・本物はあくまでも隣にいる。
素直に喜んで良いものかどうか・・・微妙だった。
「ぼくはぶらむさんが大好きです」
るし≠ヘニッコリと微笑む。
「・・あ、ありがとぉ」
とりあえず、と言う風に笑顔を返すブラムだったが・・・
「い、いい加減にしてくださいっ! 」
るし≠ひょいっとつまみ上げ、真っ赤な顔をしたルシフェルが怒鳴った。如何に手のひらサイズと言えど、自分と同じ顔、
同じ声でブラムへのラブコールをされることが流石に恥ずかしかったらしい。
「離してくださいっ! ぼくはぶらむさんと一緒がいいんですっ!! 」
ジタバタと暴れるるし=B
「もうやめて下さいってば!! 」
ルシフェルはもう首まで紅くなっている。しかも涙目・・・。
「ぶらむさんが一番好きですっ!! だからいっつも一緒にいたいんですっ! くっついてたいですっ!! 」
「もうホントにやめてくださいっ!! 」
攻防は尚も続く。
唖然とするリギィ、所長、フィアル。けれどブラムは・・・
(なんか俺オイシイ・・・・のか? )
そんなことを思いつつ、一人苦笑を浮かべるのだった。
ルシ君とるし君の言い争いは結局その日一日中続いた。夜はるし君の我侭を通して俺が引き取って一緒に寝た・・・・んだと思う。
るし君は嬉しそうに俺の上を駆け回ってたから寝たのかよく分かんないけど。
んで、るし君は朝起きたらもういなくなってた。
マジに、あの子は一体なんだったんだろうなぁ・・・。
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思いつきで書くもんじゃねぇな、と反省しております。ちっちゃいルシ君の話。
結局ブラムさんがオイシイ思い(?)をしてますね。
ちっちゃいルシ君・・・なんだったんだろうなぁ・・(遠い目)。
ルシ君の本音、とでも(明らか思いつき)