オリーブの 薫風嵐に 包まれて
千羽ヶ岳とオリーブマラソン+α?
2000.5.26~28 内田裕子
欲張り屋さんのやりくり
“道楽トライアスロン”なんて名づけられた行事があるという。どんなものかと昨年
秋、参加してみた。すべてが初めてのシチュエーションで充実した日々だった。だったらさ、今年も行きたいと思って当然だよねっねっね。
だ・か・ら、3月末、一応ハーフマラソンの申し込みをした。体調イマイチだったけど、
2ヶ月も先のことだし、少し後悔しながらも、悠長にかまえていた。現実、走り始めたのは春山が終わってからで、その練習時間をつくるやりくりが・・・
5月26日
20:30 阪急武庫之荘駅集合で、私は日野さんの車に乗せてもらう。姫路港まで2時
間もかからないそうで、同じ兵庫県だと意識する。
22:20 姫路港近くの神社には、ほぼ同時刻に谷関車、川原車も到着して、暫しの宴
の後就寝。この頃から、ポツポツ雨が。予報では明日なのに。

まずは前々夜祭
5月27日
皆、早く起きる。さっき寝たばかりなのに・・・ 雨が本降りとなってくる。
7:15 いつものフェリーに乗り、すぐ、仮眠。
8:55 雨、雨、雨。小豆島は、ザーザー降り。小豆島でこんな降り方は珍しいそうだ。
これだけ降られると、登攀できないし、拇岳は、濡れると岩質が解けて赤茶色を出し、服につくと洗濯してもとれないそうだ。だから、拇岳の本峰、千羽ヶ岳に登ることになった。
9:30 拇岳の登山道を登る。先週、山菜ハイクの勉強をしなかったので、今日こそと。早速、川原さんが、大きなヨウシュヤマゴボウを。赤いノイチゴがいっぱい。
取り付きから右の尾根へ向かう。滑りそうな岩には、古いザイルがたらされている。うっそうした林を抜けると、小さな展望台に出た。真正面に拇の頂上が見える。
10:50 尾根を少し登ると、千羽ヶ岳頂上に着いた。雨に少し霞んでいるが、波打つ海岸線が見渡せる。岩から覗き込むと拇の頂上が真下に見えた。こんな角度で拇の頂上を見られるなんて思いもしなかったので、雨のおかげで貴重な体験をさせてもらって、ラッキー。静かで趣のあるコースだった。

岬の灯台
12:00 登ってきた道を引き返して、マラソンのある内海町へ向かう。
やがて、後発の奥野さんたちが“さんふらわあ”の大きなフェリーで到着された。雨は小止みになったが、台風のような風の中、テントとタープを張る。
まだ、お昼過ぎなのに、トライアスロンの一角らしき行事が始まる。大阪労山の人達も集まり、昨秋よりもすごく賑やかになる。
「雨でも走る」と中川さんはおっしゃる。
「エエッーー いやだなあ。ジャージが濡れて重くなるよー」
“今日は200mmの降雨量で、明日はしだいに上がる。”という予報だけど・・・
町の人達が、テントをいくつもたて、更衣室、血圧測定など、私達を気遣ってくれるご好意がうれしい。その中にはランニングのお店もある。結構安くっていいウェアがあったので買ってしまった。それから、帽子も買ってしまった。なんとウェアより帽子の方が高かった。
トライアスロンの一角は延々と続き、皆の根気のよさ、胃の強さに感服。私は中断させていただいて、谷関さんがギターを爪弾きだされた頃、再び参加させてもらった。
 |
 |
| ほな飲もか |
さあ、やるで |
 |
 |
| 誰が一番? |
好きにしなはれ |
5月28日
ありがたいことに、雨は上がってくれた。オープンサンドの朝食をいただき、中島姉妹と奥野のりこさんと軽くランニングする。
10:00 ハーフマラソンのスタート。昨秋同様、人の流れに乗って走る。すぐ、中島姉妹とは、はぐれてしまった。そのうち、中川さんが追い越してゆく。
1回目の折り返しを過ぎ、また、お味噌や醤油の匂いのする町へ帰ってきて、今度は潮の香りのする海岸線に出る。風はすごく強いが、日差しがきついので、とてもすがすがしい。
エッ、中川さんが追い越してゆく。エッ、いつのまにか追い越していたんだ。正直、自分がどのくらいのペースで走っているのか、全くわからない。昨秋より、アップダウンが少ないので上りのしんどさはあまりない。まあ、好きなように走ればいいじゃない。後のことは後のこと。
給水所で立ち止まってお水を飲んでいると、入沢さんに声かけられる。
「立ち止まって飲んでると、追い越すよ」
立ち止まらないと上手に飲めないし、給水を準備してくれている人達に紙コップをポイ捨てなんてできないし、「ありがとう」ぐらいは言いたいし・・・
入沢さんと野崎さんは、おしゃべりしながら、スキップしながら、横走りしながら余裕、そして貫禄。生信先生は、スーと抜いていかれ、川原さんは、暫く一緒に走ってくれてスーと見えなくなった。
昨秋より、みんなで走っているという気持ちが強くて、なんとなく楽しい気分になる。
岬の分校ってどこかな、とキョロキョロして、2回目の折り返しまで来た。
“あと何キロ”という看板がなかなか目に入らない。100m、なんて言わないけど、1km間隔位でほしいなあ。かなり、しんどくなってきた兆候かな。
グラウンドへ帰ってきて、「エッ、まだ回るの」
後ろの方で走っている人が「2時間切れるぞ、がんばれ!」と叫んでいる。私なんかそんな声出す元気もない。
海岸側へ回って、ゴール。中川さん、佐藤三枝子さん、坂上君が迎えてくれた。
「ここへ、座っていい?」もう、足が動かない。
「ジュースもらって、完走証もらっておいで」と、中川さん。
そうよね、こんなところへ座ったら、走ってくる人の迷惑だよね。皆、同じようにしんどいのだから。
フラフラしながら、ジュースもらって、パソコンでスルスルと出てくる完走証をいただいた。まともにまっすぐ歩けない。表彰式するスタッフの方に「あなた、違いますよ。」と言われてしまった。「わかってます。足が言うこときかないの。」
皆、すでに戻っていて、ハーフ走った後という感じではなく、私だけ何か違うという感じで、一瞬空白状態に陥ってしまった。
入浴して、お弁当いただいていると、もう、フェリーの時間になった。
14:45 “さんふらわあ”に乗り、甲板に出る。
「これが噂にきく、オオダコ」おいしくよばれて、トライアスロンの全行程を無事終え、神戸港へ帰ってきました。
 |
 |
| 船上タコ宴会の始まり |
持ち帰った後遺症というおみやげ
春山合宿であれだけ日焼けして悩んだのに、またまた日焼けしてしまってザックを背負うと肩が痛い。5月の日差しは一番きつい、と聞いてはいたが・・・まだ、オデコの後遺症も治っていないのに、油断大敵。
今回は、大阪労山から大勢の参加者があって、前回と違う雰囲気の中、走ることができた。いろいろとしんどい思いをしたけど、仲間達と一緒に走ることができて、とても嬉しかった。時々、「もうやめよう」って軟弱さがでてしまうけど、その軟弱さが楽しい雰囲気にすぐ誘惑されてしまう。困ったものだなあ・・・
また、小豆島の人達の暖かいおもてなしがうれしかった。皆、笑顔で答えてくれていた。三毛猫君さえものんびり迎えてくれていた。前回はこんなこと考える余裕はなかったが、この大会でこの町に投げかけるものは大きいだろうなと、フッと現実を計算しながら、私の町では、こんなに皆一体になってできるだろうか、と羨ましく思ってしまった。小さな島がこれだけ活気あふれる要素を自ら創り出せることの素晴らしさを、今の自分に問いかけていた。
山の虫へ戻る 走るへ