2001.10.05.thu〜08.mon 緩やかに攀じる 2,000m 大阪労山中級登山学校修了山行 北ALPS・錫杖岳前衛フェース・二・三間リッジと一ルンゼ 今年も中級修了山行の時期がやってきた。毎年この時期になるとまだ暗いうちからバスを下りて歩き出す錫杖への登山道へ思いが至る。私は本当は、暗いうちから歩き出す登山スタイルは好きではない。夏ならばまだしも、冬にいたってはそこまでするならもう行かない、と言っても良いくらい嫌である。ところが錫杖はそう言うわけにはいかない。早々にバスを追い出され、しかも修了間際の受講生は登る気満々、早く行って早く登りたい、そんな気持ちに押されては、私も行かないわけには行かない。早く行かなければ満足な幕営地も得られないし、人のあとからルートに取りつくことにもなりかねない。どこでも何とか眠れるし、ルートはゆっくりと登ったら良いんだと思い、ちょっと仮眠して、明るくなってからでどうだ、なんて言葉は微塵も言い出せない。だからここで言うだけに留めておこう。 10/06/sat/晴れ その道を今日も歩き出している。しかし、今回はあまり焦らなくても良い。例年ならすべての受講生が錫杖を登るべく一斉にクリヤ谷・錫杖沢出合に向けてかっ飛ばすのだが、今年は混雑緩和のために一部の受講生が屏風にまわったからだ。実は毎年そうなのだが、今年も比較的ゆっくりと歩いている。しかし、私がパートナーとなる受講生の山下は少し荷が重いのだが、せっせと歩を伸ばしている。 「もう少しゆっくり、マイペースで..」 もう一人の受講生・春元も荷が重い。その彼と私は、ドウドウと手綱を締めるが馬力があるのかジャジャ馬なのか、彼女は歩を弛めようとはしない。 一登りして道が水平になる頃から明けてくる。渡渉点の先で山下トイレ休憩。私が幕営地を確保することになり先行する。渡渉点から先ほどと同じくらい歩いて出合に着いた。ところが後続の二人が来ない。どうやら二人はクリヤの岩小屋まで行ってしまったようだ。しかも、ここを確認しにも来ないで、時間の経過からして幕営したような感じだ。待っていても来ない様子なので迎えに行く。案の定、二人は岩小屋に幕営し、荷物を広げていた。さあ、撤収して引き返すで。Yは不満そう。私も大いに不満だ。待っていると言ったのだから、いないなら探しにきてほしかった。まあ、ハッキリと幕営地はどこ、と決めていたわけではないから痛み分けとしよう。 BCから臨む前衛フェース 二・三間リッジ3p目の春本 4p目の山下 同 4pテラスにて 5p目の登攀 二・三間リッジの登攀 春本が三ルンゼ下部の水を補給。少し飲ませてもらう。甘い。 二・三間リッジは今日、貸し切りである。二ルンゼ下の正当なルートを探るが判然としないのでいつもの三ルンゼ右岸の露岩から取りつく。濡れている。六月の屏風以来の岩登り。 1p目はピンが少ない。草が抜ける。靴のゴムが剥げている(早く新しいのを買わねば..)。ミシンを踏む。ブッシュに入って少し心が安定。 横断バンドから臨む槍 そのアップ 2pはこのまま右岸に伸ばしたいが、やはり判然としないのでこれもいつものように土のルンゼを登り、左へ回り込む。昨年はその途中で、トップを行かせた受講生が右へ回り込みエライ目にあった。巻ききると二ルンゼに入る。確保点がない。コールをかけて安定地点まで三人同時登攀する。顕著な懸垂下降ピンを探し当てる。 三ルンゼを臨む ラビーネンツークの黄葉 50m一杯の懸垂 3p。 ルンゼ本流を登り、小ハングを越してから右のリッジへ抜ければいいのだが、下からあっちが易しい、こっちが易しいとYが姦しい。ちょっと黙っとけ。まあ、行ったことのない所を行こうか、と言うことで右から取りつくと厳しい。オポジションのまま、千切れそうなシュリンゲを抜いて掛け替えようとするも新しいのが入らない。そのまま使えばよかった。フレンズを咬まして何とか乗り切る。ああ、楽しかった。 4p。 「どっちから行く」 「右から行ったら..」 「ピンがないですよ」 「よっしゃ、こっちにしよう」 どちらからも行けるが左のオープンブックを行こう。見逃したピンにヌンチャクが欲しかったとY。じゃかましい。 5p。 五級の一歩、と記されたワンポイント。シュリンゲに足をかけてサッサと越す。ちょっと握力がなくなってきたんだ。明らかな練習不足だ。Y、悪戦苦闘している。ザイルを持つが登れない。 「校長に言わないでね」 「わかった。言わへん。どんな方法でも楽しく登れたらエエネ」 春本がYと入れ替わり、先に登りサポート。 6p。 三ルンゼへ懸垂をかけるのならばここが最期のピッチとなる。滴る水に濡れながらA0。途中でアブミ使用。下の段の抜け際に、昨年受講生だったHアシスタントコーチが引きちぎったリングの変わりにスパイダー榊原が掛けた私の3mmシュリンゲが健全にある。懐かしや。 今日はどうもラビーネンツークを歩く気にならない。横断バンドから三ルンゼ終了点に懸垂を掛けることにする。最終ピッチの取りつきを眺めて、40m歩くと踏み跡が途切れる。その一段下に懸垂用テラスがある。グラグラの木に古いテープが巻かれている。これだけでは恐ろしくて懸垂はできないが、横の岩に古いハーケンと新しいボルトが打たれており、これが心を安定させてくれる。ここからフルに50m。典型的な懸垂ができる。ピッタリでやや安定した岩場に降り立つ。ザイルの回収は慎重に。 関東から来たという岳人達が懸垂を眺めていた。今日は三ルンゼを登り、クラッシックに向こう側へ下るとのこと。明日はオーソドックスに左方カンテを登るとのこと。充分楽しんでいってください。我々は更に三ルンゼを4p懸垂。BCに帰り着くとK田パーティの他はまだ誰も帰っていなかった。ケガで不自由な手で竹中さんが冷やしてくれたビールがうまい。アレッ、1本ロング缶が足りないぞ。Kが飲んだらしい。仕方がない。1本くらいエエヤロ、と思うくらいあることを彼に知られた私の落ち度だ。この後、ウイスキーに切り替えて結構遅くまで楽しんだ。 取付08:45 13:45横断BND 16:30取付 三ルンゼを仰ぐ 翌朝の錫杖沢 一ルンゼ本流ルート取り付き 岩壁に舞う由良コーチ 左のピークは白壁カンテルート 10/07/sun/晴れ 昨夜はどのテントよりも遅く眠ったようだ。星がとても綺麗だった。 「何時に出るんですか」 隣に張っている由良君が聞く。 「明るくなってからや。由良君、どうすんね」 「下から登ってきますので..」 「じゃあ、一緒に行こう」 しかし、由良君は下からのメンバーが着くとたちまち行ってしまった。 関東のパーティもゆっくりの出発。全員で一ルンゼ直下のガリーを登る。上り詰めると一ルンゼ最下部取りつき。ここから来るのがいちばん早い。由良、中井、松山が取りつくところ。井上、川端、中野も準備中。BCへこれから取りつく旨無線を飛ばすと、V字岩壁を登るKussy校長の毒舌がとび込んでくる。 「川原さんどこ行くねン。一ルンゼか。落としがいがあるな(岩を..)」 「これから直ちに下って宴会モードに切り替えます」 岩場のマドンナ(川端さん) 岩場のオドンマ(井上コーチ) フォローする中野さん 一ルンゼ2p目のフォロー テラスにて 窓際テラスのクッシー 一ルンゼ核心部の松山さんと中井コーチ 左方カンテ終了点を臨む 両手にオジサン 一ルンゼの登攀 一ルンゼは一部水が滴っているが、概ね快適に登れる。二番手の井上パーティには迷惑だったが、フォローする二人を追い越させていただいた。ここは2p目の終了点から50m一杯で懸垂できるが、登りはそうはいかない。途中で1回切る。 2p。 割り込みテラス(左からここへ割り込めるので名付けらる)を越してV字下の懸垂ピンまで登る。 3p。 井上、追い付いて先に行く。それに続き、又追い越して、明るいテラスで切る。何故か、V字を登っている串畑氏の声が近い。 4p。 ハングを中井、松山が登攀中なので左から行くべくテラスを選ぶ。と、なんと串畑氏が右手の窓際テラス(日当たりがよく、ハングを登る人を待っている間何もすることがないので名付けらる)にいるではないか。ルート変更したとのこと。ワシに逢いたかったのか。それとも...。 5p。 ハングに串畑氏が取りついた。待つのは嫌なので予定どおり左の草付きジェードルへ向かうも、その手前のフェースから小リッジが快適そうなのでそこを登る。 6p。 クッシーpの一人がまだハングを抜けてこないので先に行かせてもらう。上部ルンゼ分岐左には由良パーティが見える。彼らのあとをフォローせずに、久しぶりに右よりスラブから右カンテ、チムニーから分岐へはいる。そこを右にとり、広いチムニーをオポジションで抜けると50m一杯で安定テラスの横断バンド下に出た。 7p。 横断バンドを越し、水のルンゼを抜け、50m一杯で水のルンゼ直上に着く。 8p。 山下と春本を先にやる。30mでザイル不要の終了点に着いた。ずっと見守ってくれていた穂高の稜線と姿を見せた槍をバックに記念撮影。蜜柑がうまい。 烏帽子岩を登る由良パーティに声援を送りバンドをトラバース。山下も春本も錫杖のコースの最期を楽しんでいる。 取付08:30 12:40修了点 15:30BC 烏帽子岩 烏帽子岩を登る中野さん ラビーネンツーク(雪崩の巣)を下降する 黄葉盛り 珊瑚針茸1 裏側は柔肌のまま 今年がベスト記録 いつものブナの倒木で昨年恵まれなかったサンゴハリタケ(珊瑚針茸)に出くわす。香しい匂いに引きつけられて得られたもの。なんとヘルメットの大きさの奴が二房も観察できた。これはベースへ帰ってくるメンバーにわずかづつ鑑賞していただいた。 こんなに観察した ヘルメットと比べる 錫杖沢出合BCの紅葉 おじさんと美女と紅葉 川原pと紅葉 帰る日 また来年 穴滝上部の渡渉点 道端の宝石 槍が見える ダークマン瀬畠、クッシー校長、作者 さて、今年も楽しい修了山行をさせていただきました。私は座学を三回やらせていただきましたが、実技には最初の近畿ブロック搬出技術講習会にしか出られませんでした。それも初級登山学校の担当でしたので、実質受講生の技量は全く知らない状態での参加でした。それではいけないとて、二人の受講生には初日、少し重い負荷で歩いていただき、その足運びを見せていただきました。もとからの体力なのか、ボッカ訓練の成果なのか、全く問題なく二人は仕上がっておりまして、問題は体力(持久力)だけと思っていた私の、登攀に関する二人への懸念はこれで微塵もなくなったのであります。 ビールとコッヘル以外の団体装備?を持たないことに、お二人には不満があったかもしれませんが、こういうこととご了承ください。もちろん、持ってきたものは最期まで持って下りていただきました。 鮎笠を被った案山子・山本 かんぱ〜い!! 全員で記念撮影 ひるがのSAの難儀な人達 校長舞う ところで、来年は紅葉に染まる岳沢の南稜トリコニーやコブ尾根か飛騨尾根、前穂北尾根、畳岩、明神岳、奥又白あたりのバリエーションルートも視野に入れられるかもしれませんね。楽しみです。 記録:山の虫クレマントクラブ (略称:YMCC)・川原健一 理事長舞う
2001.10.05.thu〜08.mon 緩やかに攀じる 2,000m 大阪労山中級登山学校修了山行 北ALPS・錫杖岳前衛フェース・二・三間リッジと一ルンゼ
今年も中級修了山行の時期がやってきた。毎年この時期になるとまだ暗いうちからバスを下りて歩き出す錫杖への登山道へ思いが至る。私は本当は、暗いうちから歩き出す登山スタイルは好きではない。夏ならばまだしも、冬にいたってはそこまでするならもう行かない、と言っても良いくらい嫌である。ところが錫杖はそう言うわけにはいかない。早々にバスを追い出され、しかも修了間際の受講生は登る気満々、早く行って早く登りたい、そんな気持ちに押されては、私も行かないわけには行かない。早く行かなければ満足な幕営地も得られないし、人のあとからルートに取りつくことにもなりかねない。どこでも何とか眠れるし、ルートはゆっくりと登ったら良いんだと思い、ちょっと仮眠して、明るくなってからでどうだ、なんて言葉は微塵も言い出せない。だからここで言うだけに留めておこう。 10/06/sat/晴れ その道を今日も歩き出している。しかし、今回はあまり焦らなくても良い。例年ならすべての受講生が錫杖を登るべく一斉にクリヤ谷・錫杖沢出合に向けてかっ飛ばすのだが、今年は混雑緩和のために一部の受講生が屏風にまわったからだ。実は毎年そうなのだが、今年も比較的ゆっくりと歩いている。しかし、私がパートナーとなる受講生の山下は少し荷が重いのだが、せっせと歩を伸ばしている。 「もう少しゆっくり、マイペースで..」 もう一人の受講生・春元も荷が重い。その彼と私は、ドウドウと手綱を締めるが馬力があるのかジャジャ馬なのか、彼女は歩を弛めようとはしない。
一登りして道が水平になる頃から明けてくる。渡渉点の先で山下トイレ休憩。私が幕営地を確保することになり先行する。渡渉点から先ほどと同じくらい歩いて出合に着いた。ところが後続の二人が来ない。どうやら二人はクリヤの岩小屋まで行ってしまったようだ。しかも、ここを確認しにも来ないで、時間の経過からして幕営したような感じだ。待っていても来ない様子なので迎えに行く。案の定、二人は岩小屋に幕営し、荷物を広げていた。さあ、撤収して引き返すで。Yは不満そう。私も大いに不満だ。待っていると言ったのだから、いないなら探しにきてほしかった。まあ、ハッキリと幕営地はどこ、と決めていたわけではないから痛み分けとしよう。
二・三間リッジの登攀 春本が三ルンゼ下部の水を補給。少し飲ませてもらう。甘い。 二・三間リッジは今日、貸し切りである。二ルンゼ下の正当なルートを探るが判然としないのでいつもの三ルンゼ右岸の露岩から取りつく。濡れている。六月の屏風以来の岩登り。 1p目はピンが少ない。草が抜ける。靴のゴムが剥げている(早く新しいのを買わねば..)。ミシンを踏む。ブッシュに入って少し心が安定。
2pはこのまま右岸に伸ばしたいが、やはり判然としないのでこれもいつものように土のルンゼを登り、左へ回り込む。昨年はその途中で、トップを行かせた受講生が右へ回り込みエライ目にあった。巻ききると二ルンゼに入る。確保点がない。コールをかけて安定地点まで三人同時登攀する。顕著な懸垂下降ピンを探し当てる。
3p。 ルンゼ本流を登り、小ハングを越してから右のリッジへ抜ければいいのだが、下からあっちが易しい、こっちが易しいとYが姦しい。ちょっと黙っとけ。まあ、行ったことのない所を行こうか、と言うことで右から取りつくと厳しい。オポジションのまま、千切れそうなシュリンゲを抜いて掛け替えようとするも新しいのが入らない。そのまま使えばよかった。フレンズを咬まして何とか乗り切る。ああ、楽しかった。 4p。 「どっちから行く」 「右から行ったら..」 「ピンがないですよ」 「よっしゃ、こっちにしよう」 どちらからも行けるが左のオープンブックを行こう。見逃したピンにヌンチャクが欲しかったとY。じゃかましい。 5p。 五級の一歩、と記されたワンポイント。シュリンゲに足をかけてサッサと越す。ちょっと握力がなくなってきたんだ。明らかな練習不足だ。Y、悪戦苦闘している。ザイルを持つが登れない。 「校長に言わないでね」 「わかった。言わへん。どんな方法でも楽しく登れたらエエネ」 春本がYと入れ替わり、先に登りサポート。 6p。 三ルンゼへ懸垂をかけるのならばここが最期のピッチとなる。滴る水に濡れながらA0。途中でアブミ使用。下の段の抜け際に、昨年受講生だったHアシスタントコーチが引きちぎったリングの変わりにスパイダー榊原が掛けた私の3mmシュリンゲが健全にある。懐かしや。 今日はどうもラビーネンツークを歩く気にならない。横断バンドから三ルンゼ終了点に懸垂を掛けることにする。最終ピッチの取りつきを眺めて、40m歩くと踏み跡が途切れる。その一段下に懸垂用テラスがある。グラグラの木に古いテープが巻かれている。これだけでは恐ろしくて懸垂はできないが、横の岩に古いハーケンと新しいボルトが打たれており、これが心を安定させてくれる。ここからフルに50m。典型的な懸垂ができる。ピッタリでやや安定した岩場に降り立つ。ザイルの回収は慎重に。 関東から来たという岳人達が懸垂を眺めていた。今日は三ルンゼを登り、クラッシックに向こう側へ下るとのこと。明日はオーソドックスに左方カンテを登るとのこと。充分楽しんでいってください。我々は更に三ルンゼを4p懸垂。BCに帰り着くとK田パーティの他はまだ誰も帰っていなかった。ケガで不自由な手で竹中さんが冷やしてくれたビールがうまい。アレッ、1本ロング缶が足りないぞ。Kが飲んだらしい。仕方がない。1本くらいエエヤロ、と思うくらいあることを彼に知られた私の落ち度だ。この後、ウイスキーに切り替えて結構遅くまで楽しんだ。 取付08:45 13:45横断BND 16:30取付
10/07/sun/晴れ 昨夜はどのテントよりも遅く眠ったようだ。星がとても綺麗だった。 「何時に出るんですか」 隣に張っている由良君が聞く。 「明るくなってからや。由良君、どうすんね」 「下から登ってきますので..」 「じゃあ、一緒に行こう」 しかし、由良君は下からのメンバーが着くとたちまち行ってしまった。
関東のパーティもゆっくりの出発。全員で一ルンゼ直下のガリーを登る。上り詰めると一ルンゼ最下部取りつき。ここから来るのがいちばん早い。由良、中井、松山が取りつくところ。井上、川端、中野も準備中。BCへこれから取りつく旨無線を飛ばすと、V字岩壁を登るKussy校長の毒舌がとび込んでくる。 「川原さんどこ行くねン。一ルンゼか。落としがいがあるな(岩を..)」 「これから直ちに下って宴会モードに切り替えます」
一ルンゼの登攀 一ルンゼは一部水が滴っているが、概ね快適に登れる。二番手の井上パーティには迷惑だったが、フォローする二人を追い越させていただいた。ここは2p目の終了点から50m一杯で懸垂できるが、登りはそうはいかない。途中で1回切る。 2p。 割り込みテラス(左からここへ割り込めるので名付けらる)を越してV字下の懸垂ピンまで登る。 3p。 井上、追い付いて先に行く。それに続き、又追い越して、明るいテラスで切る。何故か、V字を登っている串畑氏の声が近い。 4p。 ハングを中井、松山が登攀中なので左から行くべくテラスを選ぶ。と、なんと串畑氏が右手の窓際テラス(日当たりがよく、ハングを登る人を待っている間何もすることがないので名付けらる)にいるではないか。ルート変更したとのこと。ワシに逢いたかったのか。それとも...。 5p。 ハングに串畑氏が取りついた。待つのは嫌なので予定どおり左の草付きジェードルへ向かうも、その手前のフェースから小リッジが快適そうなのでそこを登る。 6p。 クッシーpの一人がまだハングを抜けてこないので先に行かせてもらう。上部ルンゼ分岐左には由良パーティが見える。彼らのあとをフォローせずに、久しぶりに右よりスラブから右カンテ、チムニーから分岐へはいる。そこを右にとり、広いチムニーをオポジションで抜けると50m一杯で安定テラスの横断バンド下に出た。 7p。 横断バンドを越し、水のルンゼを抜け、50m一杯で水のルンゼ直上に着く。 8p。 山下と春本を先にやる。30mでザイル不要の終了点に着いた。ずっと見守ってくれていた穂高の稜線と姿を見せた槍をバックに記念撮影。蜜柑がうまい。
烏帽子岩を登る由良パーティに声援を送りバンドをトラバース。山下も春本も錫杖のコースの最期を楽しんでいる。 取付08:30 12:40修了点 15:30BC
いつものブナの倒木で昨年恵まれなかったサンゴハリタケ(珊瑚針茸)に出くわす。香しい匂いに引きつけられて得られたもの。なんとヘルメットの大きさの奴が二房も観察できた。これはベースへ帰ってくるメンバーにわずかづつ鑑賞していただいた。
さて、今年も楽しい修了山行をさせていただきました。私は座学を三回やらせていただきましたが、実技には最初の近畿ブロック搬出技術講習会にしか出られませんでした。それも初級登山学校の担当でしたので、実質受講生の技量は全く知らない状態での参加でした。それではいけないとて、二人の受講生には初日、少し重い負荷で歩いていただき、その足運びを見せていただきました。もとからの体力なのか、ボッカ訓練の成果なのか、全く問題なく二人は仕上がっておりまして、問題は体力(持久力)だけと思っていた私の、登攀に関する二人への懸念はこれで微塵もなくなったのであります。
ビールとコッヘル以外の団体装備?を持たないことに、お二人には不満があったかもしれませんが、こういうこととご了承ください。もちろん、持ってきたものは最期まで持って下りていただきました。
ところで、来年は紅葉に染まる岳沢の南稜トリコニーやコブ尾根か飛騨尾根、前穂北尾根、畳岩、明神岳、奥又白あたりのバリエーションルートも視野に入れられるかもしれませんね。楽しみです。 記録:山の虫クレマントクラブ (略称:YMCC)・川原健一
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