3度目の小川山
2000.9.14~17 内田裕子

小川山と私

毎年のことになってしまったが、夏の喧騒な時節を過ぎると、小川山の合宿がある。

「最近全く岩を触ってないんですけど・・・」と、言い訳しながら、いつも参加している。あの高原の雰囲気には独特の魅力がある。アルプスのハイジや不思議な国のアリスが登場してくるような・・・軽井沢的な避暑地を思わせるような・・・優雅でのんびり時間が過ぎていくような・・・

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20:00 JR森之宮集合で、森本さんがレンタルしてくださったワゴンに乗り込む。3連休の前日、皆忙しいらしく少し遅れて出発。車のラジオではオリンピックのサッカーの予選が放送されていて、まず1勝に拍手。多賀SAで合流して、私はドライバー要員として生信車に移る。

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深夜、諏訪湖SAで仮眠。眠い目をこすって運転しているより、1時間でも眠って明るくなってから運転する方が気分的に全く違う。

7:30 いつもの廻り目平キャンプ場に。違うのはススキがなびいていることぐらい。

早速、テントを張って、中川さんや木下さんや生信先生は金峰山へ、残りの私達はスラブ状ガマルートへ。

9:00 林道から右へ入って取り付きまでくると、伊藤さん、中島さんパーティがいない。森本さんはまた林道へ戻って探しに行かれる。

P 私のパーティは谷関さんトップで萩野さんと登る。右側のむずかしいところをわざわざ選んで登って行かれる。

P ずっと左に巻いて、ハングっている岩をも巻いて左のスラブの取り付きで準備していると、伊藤さん、中島さんの声がした。

「オーイ、YM」 林道を行き過ぎて、やぶこぎして来られたようだ。

少しレイバックみたいに登って、スラブ中のスラブを登る。

P リッジを気持ち良く登る。最後のハングを少し張ってもらいながら登る。

右にトラバースして後続を待つ。萩野さんとは初めてだけど、室内でよくトレーニングされているらしくフリーがすごく上手。

P コンテで登って、終了点。

12:00 雲ひとつない青空の中を懸垂下降。

「ヒェー、ヒョー、ヒュー・・・」山下さんの楽しい叫び声がこだまする。

ガマではなく、マガ岩をトップロープでフリーの練習。華奢な()指先がビリビリしてくる。

15:00 買出しに行かなくてはならないので、今日はこれでおしまいとする。

テントに戻っても金峰山組はまだ帰っていなくて、無線も携帯電話も届かない。やっと、携帯が通じたと思ったら、「あと10分のところです」だった。

買出し組がお帰りになると、にわかに慌しくなる。山下明美さんは農家を訪問して、白菜やレタスを無料で分けてもらってきた。さすがだ!!!

今年は少ないと言ってても、金峰山組のきのこが溢れ出て恒例のようにきのこ鍋をいただく。中川惇子さんが見つけられたニカワハリタケというゼリーのようなプルンプルンした半透明のきのこを醤油だけでいただく。たいへん美味、美味。

雲が少しでてきたのか、星空が少ししかわからない。でも小川山へ来て、雨に降られたことがないという人がいらして、ジンクスを楽観的に信じよう。

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夜半に降り出した雨が気まぐれに訪れる。青空が出てお日様が顔を出したかと思えば、またシャワーのように降り出す。川原さんから心配の電話が鳴る。

今日は、小川山登山組と岩探検隊とに分かれる。私は岩探検隊に入り、小川山レイバックなどの見学。

岩はやはり濡れていて、登れない。帰り道の途中、高さ3m、幅5m位の大岩にトップロープを張って、ボルダリングの練習。岩を土で汚さないように、チョークを手に、クレッターにつけても、ダメ。人の肩で押し上げてもらっても()難しくてダメだったけど、ワイワイ騒いで、結構楽しいボルダリングになった。

テントに戻って、不足分の買出しに行く。スーパーのテレビでは横浜の方で新幹線が大雨のために止まっているというニュースが流れている。今日はサニーレタスをサービスしてもらって、帰って早速山下さんに自慢する。

恒例のように鯉のアライをいただいて、雨の音に負けないようにギターにあわせて美声が続いた。

 

9月17

どしゃぶりの雨で金峰山登山も諦めて帰路につく。

これからはじまる今年の小川山ストーリー

往路と同じように生信車に乗る。高速に入るまでにIさんはBを買いたい。なんとラッキーか、アンラッキーか、高速10m手前にB屋さんがあった。

同乗しているNさん「私もちょっと」と降りようとする。

隣に座っているAさん「あなたは降りなくてもいいのよ」

Nさん「ちょっと見に行くだけ」

Aさん「見るだけならここから見えるでしょ」

Nさん「ここからは見えないもん」

Aさん「ここから十分に見えるじゃない」

ドライバーは私に代わる。結局Nさんは車から降りられずに高速に入った。Iさんはニコニコして、プシュと音をたててゴクッ。高速に入ってグングンアクセルを踏む。ところがアクセルが元に戻らない。アクセルが異常なほど軽いのだ。

「おかしい!!!先生、アクセルがおかしい!!!」

「なんでや、ちゃんと走っているやないか」

「でも、おかしいの、アクセルが軽いの、止まるよ」

「アクセルってのは軽いもんや、止まらんでいい」

Iさんは気分の良いところへ騒ぎ出されて、私の相手になってくれない。

「でも、おかしい、止まるよ、止まりたいの」

と、強引にブレーキ、サイドブレーキをかけた。「ほっ・・・」

止まって、アクセルを見てもらうと、おかしいと思われたようでIさん蒼白になる。

無線でMさんに連絡してもらう。Iさんが非常電話をかけにいく。

「急にアクセルをガーと踏んだからおかしくなってしまったのかしら・・・自分の車と同じようにしていたらダメなんだ。暴走を反省・・・」

やがて、Tさんが見に来てくれる。エンジン等調べ出す。

「これかな? 先生、ちょっと走ってみて」

「なおったわぁ」

エンジンのどこかにボールペンが挟まっていて、それが原因だったようだ。そのボールペンは整備会社ものらしい。

Tさんさまさまで「ホッ・ホッ・ホッ・・・」

Iさんは開けてしまったBをまた飲む気にもなれず、Nさんに渡す。Nさんは「仕方ないな」と言って、ニコニコ顔になる。

それからは、無事、諏訪湖SAで汗を流し、大阪へ帰ってきたのでありました。ホントに無事に帰ることができ、この幸運を感謝・感謝でありました。 


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