| 98‘中級前期登山学校修了北岳山行・1パーテイーからの報告
記:YMCC 森本 パーテイー編成 コーチ 森本孝司(53) YMCC 生徒 柴原 健(36)吉田伸治(31)共にぽっぽ会 |
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10月9日(金) 大樺沢沿いに上がると茸が目に飛び込んでくる。行きの土産(?)に少々鑑賞していく。2升+αの日本酒をはじめ共同装備で重たい柴原君そして吉田君共に元気である。 2俣から約1時間で下部岩壁につく、アルバイトをした先行パーテイーにここで追いついた。
2P 左に回り込むとバンドにビレー用ピンが有った。直上してかぶり気味の岩の右端を抜けブッシュ帯に入り潅木で確保。 3P U級のブッシュ登りを柴原、吉田に先行してもらう、3m程進んだ時、足に触れたのかこぶし大の落石を起こしてしまった。
C沢上部入口でザイルを外し滝上部をトラバース、浮き石だらけで動く石を押さえつけ1歩1歩慎重に行動する。翌日、4尾根中間部から見下ろした時、ここをザイルを付けたまま行動していたパーテイーがいて呆れてしまった。落石を起こすだけでなく、自分のザイルを痛める事も考えていない。 落石を起こすことなく沢を渡りホットとする。ブッシュ帯の踏み跡をたどり大きなテラスに出ると左のピラミッドフェースを青木Pが登攀中であった。上部から懸垂で降りてきた、他パーテイーとすれ違いブッシュ混じりの凹角を40m登る。そこは長いバンド状で、左はリッジの取付きとなり、右は4天程度の格好のビバークテラスとなっていた。 左のリッジには既に川原Pが取付き、鳥居Pは取付きで待機していた。彼らはB沢を登り左にトラバースをして早めにここに着いたらし。、予定どうり今日中に4尾根をぬけ上部でビバークをすると言う。 時間は14時半、微妙なタイムだが我々はここまでとしビバークの準備に入る。右のテラス下部は垂壁の壁でなく60度程の傾斜のブッシュになっていたが落ちれば無事ではすまない。しかし、ツエルトに比べテラスが大きいため、今回はザイルを直接体にセットする方法をとらずツエルトの回りにザイルを張り巡らし、ツエルトを出る時点からフイックスザイルにセルフビレーをセットする事とする。 その日は北岳特製のきのこ鍋から始まり、両君持参のアテ等なかなか結構な夕食を楽しむ事ができた。天気も回復しツエルト内が明るい程、月が照り輝いていた。
4尾根主稜(6時10分取付き) −1P 優しいフェースを登りルート図の取付きテラスにでる。このテラスは大きい。 1P 凹角奥のクラックに手と足をきめ登る、良く効いて楽しい。草付きからテラスで切る。 2P 傾斜の緩いフェースを行く。 3P 白い岩の長いクラックから右のリッジにつなぐ、第2のコル手前3mでザイルが1杯となり、這い松とフレンズで確保。(1P省略) 4P 3m程の細かい垂壁を登り、リッジを行くとマッチ箱のテラスに出た。伊東ちゃん確保してテンションで横山、木浪生徒を下のテラスに降ろしている。我々はその地点より3m程先に有る別の懸垂支点で、同じくセカンド2人を降ろす準備に入る。ここは見透しが良く中央稜を登る鳥居P、Dガリー奥壁の青木P、4尾根上部で取材中の川原Pが真近に見える。 5P 2人をテンションで降ろし、私は1本のザイルで懸垂をして少し上のテラスで伊東Pと合流する。真近に見るDガリー奥壁は傾斜は緩いが硬く磨かれたスラブで登攀意欲を誘う。ホンチャンでこんな岩場は少ない。 「森本さん早く来てやー、わしらだけでさみしわー」と鳥居ちゃんが上の方からコール。 中央稜ノーマルルート(懸垂開始10:30、登攀開始11:10) 「落―落―」 1P ルート図どおり取付けば落石に身を晒すため、5mてまえのかぶり気味の壁に取付き細かい逆層のフェースを右上、通常のルートに合流してかぶったバンドを左上しリンネ(ルンゼ)末端テラスで岩陰に体を付け確保する。かなりの緊張でいつもに比べ息が荒い。 2P このリンネは身を隠すところはないがやさしいのでスピードを上げて登る。この頃から落石はとまった。(先行者が上部ガラ場から抜けきったため。) 3P やさしいバンドを右斜上する。他会パーテイー(加古川労山?)2人が我々が1P目に取付いた時、懸垂で降りてきて後ろにつく形になったため落石を起こさないように非常に気を使う。このバンドも浮き石だらけだ。ハング下でピッチを切る。 4P 上に2ヶ所ハングが切れた場所があり左のハングから乗越し、さらに右寄りに直上するもピンが無くいきずまり下降、第三ハング下で確保。あとで分かった事だが途中で右に抜けると易しく稜角にでれたようだ。 5P 私が登り始める頃、後続のパーテイーが上がってきてしばらくうろうろした後、我々と同じピンで確保を取りたいと言う。ハーケン主体のいま1つ信用できないアンカーなので良い気はしなかったが他に適当な所が無いので「どうぞ」と言って譲った。 「森本さん、右、右の稜やで」と4尾根上から青木君がアドバイスをくれる。念のために右にトラバースするも上部はより大きくハングしてピンも見えない。あそこしかないと思い先ほどの地点に戻り再トライする。よーく探すと指が入る横リスが有る。 「オーイ」 6P やさしいフェースをゆっくりと登る。もう急ぐ事はない。広いバンドで確保。 7P 階段状のフェースを登ると泥と浮き石の詰ったルンゼに入る、ここは落石無しでは行けそうも無いので左の這松に突っ込み終了点に出る。後続も同じルートをとってもらう。 「おめでとう。」 北岳頂上から何人か手を振ってくれる。答えてパキングをし、すぐに頂上に向かって出発。 頂上までの草付きには浮き石が多い。もう中央稜下部には誰もいないと思われるが1つも落石を起こさないよう3人で気を使う。最後は又、這松に突っ込み頂上直下に至る。(15:15) 頂上には中級登山学校関係者の大半が集まりこちらを眺めている、なにやら晴れがましい気分だ。その中に本格的なアンテナをたてたアマチア無線者がまるでアナウンサーの様に大きな声で我々の事を実況放送風に喋っていた。 イージーライダーの私は皆を待たせてしまった事も考えず、単純に嬉しくなってしまい「ばんざいー」をして、米沢校長を始め手当たり次第握手をして廻った。 その夜は、白根御池のテン場でワインやビールの差し入れを頂き大いにもりあがった。いつまでもS井、K下君の奇声が聞こえたがまあー今回だけは許す事としよう。 今修了山行はまれに見る素晴らしい好天に恵れ、結果的には無事に終了する事ができたが、それぞれのパーテイー内では反省すべき事が多々あったと思います。修了生の皆さん小さな事もきちっと反省と考察をして次回山行に生かしてください。それが自分を危険から守る事に繋がっていくのです。 中級修了生の皆様、又岩場でお会いしましょう。 |
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