2000/08/18/FRI〜20/SUN
400mで40個の滝
吉野川支流・井内谷川・御来光谷

MEMBER
川原薫・川原健一・森本栄子・生信良明・今庄友幸・今庄豊子(YMCC)/竹歳三喜子(吹田労山)


 鳴門海峡大橋、明石海峡大橋で本州と繋がった四国は、近年高速道路の発達もめまぐるしく、奥まで行こうと思えばアプローチに多大な時間を要していた一昔前とは、現在はうってかわった様相となっている。そんな当たり前のことを最近改めて認識した私は、四国にも私好みのいい沢があるはずだとて、遠征(もはやライトエクスペディション)を試みた。
 二つの選択肢の中から、今回はより近くて手軽そうな、そして名前がこれまたとてもよろしい沢に行くことにした。その名も「御来光谷(ごらいこうたに)」と言う。
  

8/18/FRI/○●○
 JR新三田駅集合18:45。ところが折からの局地的集中豪雨に見舞われたm本E子さんが、自宅から出た買い物先で帰るに帰れず悲鳴を上げる。
「や〜、川原さん。えらい降ってんね〜。かなんわ〜」
 はいはい、わかりました。30分ほど遅れてE子さんは到着した。
 今庄車と川原車の2台で出発。三田郊外の新築なったばかりの電気屋の下のスーパーでビールや晩飯とするお寿司、今宵の肴などを買う。
「飲んでや」
 運転中、人が飲んでも一切気にしない川原は竹歳さんと薫さんに通告。その言葉が終わらないうちにT歳はプシュウッと言わせている。酒呑みめ。

 明石海峡を渡りきった淡路サービスエリアの展望広場でE子さんがのたまう。
「いや〜〜。ここどこやの。三田とちゃうの?」
 彼女は三田のスーパーを出てすぐに、今庄車の広い車内で夢の中に入ったらしい。
「いや〜、明石大橋通るとこ見たかったわ〜」
「イヤイヤ、たいしたことなかったですよ」と生信。
「うんにゃ、ゴオッツ綺麗やったで」と川原。
「どっちやの〜〜^^;」

 鳴門大橋を渡る。降りてから徳島道へ続く一般道は広い。無線交信しながら走っているのだが、今庄車の生信先生からガリガリッとなにやら伝言が入る。現職ナースのKさん、すかさずマイクを取り反応する。
「どうされました」
 おいおい、それはナースコールに対する返事ちゃうんか。いまごろ生信先生の頭の廻りで???マークが点滅回転しているに違いない。
 徳島道にはいるといきなり検問。厳しい顔つきの警官が迂回を促す。しんがりの警官に免許証を提示すると、彼はにっこり笑って返してくれた。
「お急ぎの所ご協力ありがとうございました」
 いやいや、別に急いではいませんよ。てなわけで安全運転にますます磨きが掛かり、平均速度80kmの走行が某SAまで続いた。ここで早く飲みたいK原運転手が策略を巡らす。
「取り付きまで後ちょっとやし、いいところですから、今日はここまでとしませんか」
「そうですな〜。ちょっと僕、探してきますわ」
 気の早い I きのぶ先生はみんなの意見も聞かず、はや宴会場所を探しに出る。もとより異論の無い他のメンバーも、得たり、と探しにうろつき回る。左の高台が人が少なくて良さそうだが、蚊が来そうだ。それに阿波踊りの伴奏が流れていて「チャンカチャンカチャンカチャンカ」やかましい。おそらくこれは一晩中続くぞ、ということで、比較的蚊の少なそうな右の高台の展望が開けたところに落ち着くことになった。さあ、やっと飲めるぞ。
三田   19:30
21:30 徳島道SA


8/19/SAT/○
 美馬ICまでわずか走る。ここから一般道を吉野川沿いに走り、取り付きを目指す。このあたりを青年の頃から走り続けて今日に至る生信さんが、行くべき道を的確に指示してくれる。ところが南下すべき分岐を過ぎてしまい、少々のロスタイム。元に返り狭い道を走る。女子高生が単車で走っている。このあたりは南北朝の時代、源平の時代からの(良く知られた)隠里らしく、高度差の大きい山の斜面に多くの集落が散在し、家々が張りついている。我々が今日行こうとしているのも、標高差400mを一気に溯る沢なのだ。そこの道路を走るには人力ではきついものがあろう。では小中学生はどうしているのだろう。そんなことを考えながら2つほどの集落を抜け、分岐を左へ左へ入り進んでいくと目的の取り付きに着いた。今庄車を下山口に回送し出発。


 何と心躍らない取り付きだろう。新三田で地図を見てガッカリし、ここに着いたときもガッカリしたのだが...。果たしてこの先、御来光谷は私たちに今の想いに反するどれほどの感動を与えてくれるのか。

 水は笹濁り。昨夜雨でも降ったのか。否、どうやらこんな沢らしい。飲料には適さない。足を踏み入れると川底が荒らされさらに濁る。エライ沢だな、と落胆も束の間、格好のよい滝が現れる。滝は泥に煩わされないので気持ちがよい。実にフリクションが利く大小の滝が真断無く現れ、取り付きでの不信感をアッという間にぬぐい去ってくれた。こうでなくては。何しろ四国まで来たのだから。
 開けたところがガレ河原になっており、その先に大きな滝が落ちている。右岸のボロボロのルンゼ状を登るのだが、何とも怪しい足下。転落の危険はないが、落石に気を使う。竹歳、掴んだ大石が浮いており支えている。
「下、ちょっと除けて。落としま〜す」
 このルンゼは2連の滝を巻いていた。上がりきったところが広幅の滝と浅い淵になっており、ここで小休。記念撮影。

 ここから続く滝はおおむね5〜10m程度のもので、豪快にシャワークライミングで突破できる。今庄が、竹歳が、栄子が、薫が、豊子が頭から思いっきり水をかぶってガンガン登る。生信、さしてそれらに踊らされず、さりとて全く関心がないわけでもなく、巻いたり、水を被ったり、静かに楽しんでいる。
「早く来て〜っ。何してんの〜〜」
 景色のいいところでモデル達が写真を撮れ、綺麗に撮れ、とうるさい。この沢は滝づくしで、標高差400mで40もの滝を数えるらしい。私は20くらいまで数えたが面倒くさくなって止めてしまった。計算すると10mに一個の割合ではないか。しかも10mを越える滝も現れる。

 岩間の滝を越えてしばらく行くと御来光の滝に出くわす。そこからさらに行くと四角い二つの穴から水が流れているところに至る。なんと綺麗にできた穴よ。シゲシゲと覗くと、なんだ、人が積んだものじゃないか。木を抱いて乗り越すとヒョッコリと二つ目の古道に飛び出した。穴はこの道を通すために造られた堰の水抜孔だったのだ。綺麗な滝が古道が堰き止めた浅い淵に落ちている。

 やおら
「どうですか。この辺で・・・」
 出た!!I きのぶ先生のミラクルボイス・必殺「このへんで」宣言。今日はもう十分堪能したからこの辺で引き返しましょうよ、と強きを挫くボイスである。しかし、この必殺はYMCCでは4〜5人(N川、OK野、HI野、K下あたり他)の人達にしか通用しない。似たようなものにN川の「もうええやろ」、OK野の「もうだいたい」ボイスがあるが、これも威力が示されたことは少ない。しかし、三泊四日の山行の初日の一ピッチをこなしたかこなさなかったのあたりで聞くこれらのボイスはなかなか強烈ではある。鼓舞するために敢えて言う、などと言った話もあるが、思わず乗ってしまいそうな自分がいるのにハッとするときがある。あまり言わんように。

 ヨリミツの滝を眺めながらの先生の御宣言だが、今日のメンバーは全く聞く耳持たない。こっから懸垂して云々、先生は未だご執心だが委細かまわず先へ行く。
 ヨリミツの滝から先は平流となり、ブッシュが被さってくる。並列して着いている杣道を沢を眺めながら歩く。下の集落の水源なのか、硬質ゴムチューブが延々と張られている。この先にある湿原を確認したかったのだが、安易に左俣に入ってしまい、人工の盛り土に行き当たってしまった。登ってみるとなにやら農場のような所。やむを得ない、引き返そう。結局先生の言うとおりにした方がよかったのだが、まあ、後に憂いを残さずにはすんだ。

 帰りはヨリミツ滝まで杣道を引き返し、古道の橋をわたると思いがけずしっかりとした林道に出た。これを延々と曲がりくねったりショートカットしたりして歩き続け、ビールを積んだ車を置いた下山口に着いた。
 8:50 取り付き 
11:50 二俣

記録:川原


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