我が行方問うものあらば桜花行方知れずと伝え給えな
田はみどり竹はさみどり森みどり梅雨のみどりははなやかならむ
声かける者なく我を知る者も無い図書館のやわらかな午後
幾度も和紙を貼りつぐ下絵経て無駄なき線を松園は描く
松園に甘き墨色与えられ描かれし人夢にまどろむ
待つことに慣れて誰をも待たぬ我 爪色青きサロメが来やる
時代ごと変わる評価を受くサロメ他人居らねばわからぬ私
秋風に流れる水は透き通りせつない夢を明方に見た
秋という明確な意思宿り居る 庭の桔梗のうすむらさきに
狂うこと叶わぬ我ら今よりは透き通り行く時を待つべし
見渡せば色づく木々の猩猩緋己一人も華やかならむ
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