東京の駅降り立てば我が背に寂しさの羽生えてゆうらり
人心知るか知らぬか用件は無しと輝く留守電ランプ
寂しさは不意に狂気を孕むもの叫びだしたい欲望抑え
下宿生一人都にとどまれば訪れるものなき誕生日
いつだって愛したものは自分だけ一人きり住む寂しさの城
灯に浮かぶ東京タワーの寂しさよ己光れば周囲は見えぬ
人を待つことも忘れて佇めばいちょうちらほら異界へ誘う
音立てず赤や黄色に燃える木々ムンクの「叫び」に似て立ち尽くす
冬の園めぐりめぐりて水鏡我に微笑みかけるものなし