第24回鳥人間コンテスト選手権大会参加活動途中経過
滑空機部門出場機設計 計算書 兼 写真集
チーム名 湘南工科大学
委員長 兼 設計者 加藤 直樹
パイロット 大越 智明
CAD担当 相原 健 小野寺 勇 北村 公平
顧問 北洞
貴也

1/10サイズ模型の飛行試験

機体外殻は今後、抵抗が少なくかつユニークなデザインを考えてゆく予定です。
目次
ページ
1. 設計方針 2
2. 空力計算 2
3. 模型試験 8
4. 強度計算 11
5. 操縦(テイクオフ)方法 14
6. 安全対策 15
7. 進行状況 16
8. 今後のスケジュール 17
1. 設計方針
与えられている条件は、10mの高さから飛び出して滑空し、どれだけ遠くに飛べるかということです。滑空性能を良くしたからと言って、この条件で遠くまで飛ぶわけでは無いので、従来の滑空機に対する航空力学にとらわれず、基礎的な流体力学と運動方程式を用いてコンピュータによりシミュレーションをして最適設計することとしました。この結果、先尾翼機が、ピッチングに対するバランスを取るために設けている前翼も揚力を受け、単位重量に対する揚力を稼げるので遠くまで飛ぶことがわかりました。この結果を用いて模型を試作し、エネルギーバランスを考慮した試験飛行を行ったところ、飛行距離はレイノルズ数の影響で相似な距離まで飛ばなかったものの、飛行経路はほぼシミュレーションと相似な結果が得られたので、制作中の実際の機体でも良い結果が得られるものと確信しています。
2. 空力計算(コンピュータによるシミュレーション)
滑空機の進行方向(水平)と上下方向を軸とする2次元平面上の運動をシミュレーションして、翼の種類、翼面積、翼間距離、重心位置、重さ等を変化させ、飛行距離を評価量とした最適設計を行う。
1. 基礎式
図1のように機体に働く力をモデル化する。すなわち、
FL1 :前翼に働く揚力
FD1 :前翼に働く抗力
FL2 :後翼に働く揚力
FD2 :後翼に働く抗力
FD3 :胴体に働く抗力
U :飛行速度
α :前翼取り付け角
β :後翼取り付け角
γ :機体から見た進行方向
δ :機体の傾き角
x1:前翼取り付け高さ
x2:重心からの前翼取り付け距離
x3:重心からの後翼取り付け距離
x4:後翼取り付け高さ
図1
これから前翼への入射角はα+γ、後翼への入射角はα+βとなる。
x方向の運動方程式は
…・(1)
y方向の運動方程式は
…・・(2)
となる。ここでax、ayはそれぞれの方向の加速度であり、gは重力加速度、mはパイロットを含めた機体総重量である。翼揚力を0.9倍しているのは、翼端渦による揚力の減少をモデル化している。翼抗力を1.2倍しているのは、翼端渦による誘導抗力と、翼と胴体間の干渉抗力をモデル化している。ここで、
、
、
、
であり、CL1,CL2,CD1、CD2はそれぞれ前翼、後翼の揚力係数、前翼、後翼の抗力係数である。また、S1,S2はそれぞれ前翼と後翼の翼面積、ρは空気の密度(=1.25kg/m3)である。
また、胴体部の抗力は入射角の影響を考慮して
![]()
により見積もることとした。機体総重量mは、予定しているパイロットの体重が52kgであることや、胴体寸法、翼面積等を考慮して次式により見積もった。
![]()
次に、機体の傾きを求めるために、重心周りの力のモーメントの釣り合い式をたてると、次のようになる。

…・・(3)
ここでLは機体が一定の太さの棒としたときの等価長さであり、ここではL=
(x2+x3)/3でモデル化した。ωは重心周りの機体の角速度であり、反時計回りを正とする。
2. 翼特性
前翼と後翼には、NACA6512,NACA2412,クラークY、JAL850,RAF32の5種類を使った全ての組み合わせを試す。各翼の入射角(前翼ではα+γ、後翼ではβ+γ)に対するCL、CDは以下の図2から図6までに示す。

図2
アスペクト比 8
レイノルズ数 61700

図3
アスペクト比 8
レイノルズ数 6×106

図4
アスペクト比 8
レイノルズ数 61700

図5
アスペクト比 6
レイノルズ数 8303

図6
アスペクト比 8
レイノルズ数 56911
(参考文献)
・模型飛行機 木村秀政 電波実験社
上図の結果は、レイノルズ数が滑空機のものと異なるので、揚力とレイノルズ数の関係は、次式で換算した。
![]()
![]()
ここでCLd、Redは上図から読みとった値である。実機のレイノルズ数Reは
1. 6×105とした。
(参考文献)
・航空力学の基礎 牧野光雄 産業図書 p.121,124
1. 差分法
式(1)、(2)を変形して、ax、ayを求める。すると、微少時間t進んだ時の機体のx方向とy方向の変位凾、凾凾ェそれぞれ次式で与えられる。
…(4)
…(5)
(3)式から
を求めれば、機体の傾き角δは次式で与えられる。
…(6)
ここでnは時間ステップを示す。機体の進行方向を示す角度γは次式による。
…(7)
次の時間ステップでの新しい速度Uは次式による。
…(8)
(4)、(5)、(6)式は前ステップの値から左辺の次ステップの値が求められるので、陽的一次差分により、初期値問題として解くことができる。すなわち、プラットホームからの初速度U等を与え、次の順で計算を進める
[ax,ay]→[Δx(4)式、Δy(5)式]→[
]→[δ(6)式]→
[γ(7)式]→[U(8)式]→初めに戻る
これを繰り返すことにより、時系列な結果を得ることが出来る。ここで、プラットホームから飛び出す際の初期値はそれぞれ次のように求めた。

初速度U:これは、パイロットが機体を担いで助走距離10mの間にどれだけのスピードに到達できるかにより決まる。そこで、ポリタンク2つに水を入れ、水量で重さを変えて両手に持ち、ダッシュして10m先の速度がどのようになるかを調べた。9mと11mの地点に棒を立て、この間を走り抜ける様子をデジタルビデオカメラで撮影し、棒と棒の間を通過したコマ数から通過時間を得て、速度を求めた。その様子の1部を図7に示す。
4名によりこの実験を行った。この結果を、図8に示す。
4名の結果には体重差による有意な違いは見られなかったので、実験値は平均している。これから、機体総重量mと初速度Uの関係を次のようにモデル化した。
(m/s) …(9)
機体の傾き角度δ:これはプラットホームの傾き角3.5度に合わせる。

機体から見た進行方向γ:機体はプラットホームと平行に発進するものとして、0度とした。
2. 結果及び結論
上記初期値を用いて差分計算を行った。入力変数を様々に変化させて求めた結果の内、最も遠くまで飛んだ値は218.1mであり、この時の飛行経路を図9に示す。1本1本の短い線がその時々の機体の傾きを示し、左端の高さ10mからテイクオフして着水するまでの軌跡を示す。縦の黒線の間隔は100mとなっている。機体は初めに加速するために高度を下げ、その後緩やかに上昇して、飛行が安定してゆく。これは、操縦することなく自動的に行われている。また、この時の入力変数の値は次のようであった。
前翼:NACA6512、後翼:NACA2412
前翼面積S1:5m2、後翼面積S2:20.8m2、
前翼から重心までの距離x2:2.8m、後翼から重心までの距離x3:0.7m、
前翼の取り付け角α:0.8゜、後翼の取り付け角β:7.8゜。

また、この時の総重量は84.8kgであり、機体のみの重量は32.8kgとなった。初速度Uは5.9m/sである。x1は計算からは実現が難しい値が出た。前翼が揚力を受け、また、翼端渦を発生させると、この影響が後翼の揚力を低下させてしまうことが考えられるので、これを避けるために、前翼は低く、後翼は高い位置に取り付けることとした。また、翼間距離も風の乱れによる機体のピッチングに対する安定性を高めるために、計算値よりも若干長くしている。
前翼は後翼よりも転向角が大きいものにしたほうが、安定が良くなることが分かった。
3.模型試験
計算で行った最適設計で求められた寸法が本当に良い結果を生むのか確認する必要がある。そのために模型試験を行った。
初めに1/50のサイズの模型を、バルサ材を用いて制作した。形状は単純なものとして、矩形翼を用いた。模型の写真を図10に示す。模型実験は、実機とエネルギーや力の比が等しくなっていなければいけない。そこで、模型の発射高さをHM=4.9mとして、次の関係式から模型の初速度UMおよび重さmMを求めた。

図10
位置エネルギーと初速による運動エネルギーの比を実機と模型で等しくする。すなわち
…(10)
重力と流体力の比を実機と模型で等しくする。すなわち
…(11)
ここで、翼面積比
は1/2500である。これからUM=4.13m/s、
mM=16.6gとなる。正しい初速を得るためにゴムひもを用いた発射装置を作り、ゴムひもを引く距離で発射速度を調節した。この条件の下模型を飛行させたところ、約30m飛んだ。飛行中の飛行経路、つまり高度の変化も計算から求められたものとほぼ同じであった。飛行距離は、発射位置の高さの実物との比を考えても短かったが、レイノルズ数が小さいこと、翼面が荒いこと、胴体形状が流線型で無かったことなどが理由として考えられる。
これにより実機でも良好な結果が得られることが期待できたので、この形状データを元に設計を行った。この結果を3面図および、各部品図に示す。翼の上反角は、スタート時のサポートのしやすさや、飛行時の直進安定性等を考慮して4度とした。さらに、ピッチングに対する安定性や直進性を高めるために、後退角を2度設けた。また、直進性を高めるために、垂直尾翼を胴体から後方に伸ばして取り付けた。
このようにして設計された図面に基づき新たな模型をできるだけ忠実に
1/10サイズで作成した。この写真を図11に示す。


図11
この模型の発射高さを4.9mとして(10)、(11)式により、初速及び質量を求めると、UM=4.13m/s、mM=415gとなる。この条件の下、飛行試験を行った結果を表紙の図および図12に示す。飛行距離は1/50サイズよりも2倍近くに伸びたので、実機でも成功することに確信が持てた。




図12
4.強度計算
主要部の強度を計算した。前翼、後翼共にCFRPパイプの2本スパーを用い、メインスパーが力を支え、サブスパーはリブが捻れないように正確に配置する目的と、迎角が変化したときに翼に働くトルクを支える役割と、翼フラッターを押さえるために翼の前縁側の質量を増やす役割を持っている。そこで、強度計算はメインスパーのみについて行った。メインスパーは迎角が変化したときに翼に働くトルクを支えるために、ねじりに対しても強くなるよう、翼厚による制限と、リブの取り付け強度が保たれる範囲で、なるべく太いものにした。全て軸方向に同径となっている。翼に働く力は飛行中に時事刻々変化する。そこで、前述の飛行シュミレーションで求められた飛行中の最大翼力を用いて強度計算を行う。図9の2番目に○印が示されている所が、最も大きな力が働いた場所で、これは前翼、後翼共に等しかった。共に揚力係数から求めている。この前翼に働く最大力は223N、後翼に働く最大力は819Nである。
許容応力は三菱レイヨンのパイロフィル−炭素繊維TR30−マトリックス樹脂#340−ラミネート板積層構成[+45゜/0゜/−45゜/90゜]4s(32PLY)の乾燥状態において引っ張り応力666N/mm2、圧縮許容応力559N/mm2である。
(参考文献)
三菱レイヨンパイロフィルコンポジットの機械特性
4−1、前翼スパー
前翼スパーの長さL:3685mm、内径d1:57mm、
外径d2:59.5mm、厚みt:1.25mm
応力計算
一端固定のスパーに等分布荷重が働いているとして、固定端の最大応力を求める。固定端の最大曲げモーメントMによる最大引っ張り応力あるいは圧縮応力σは、曲げの外側、内側に働き次式で求められる。
…(12)
ここで、eは円筒中心から外端までの距離で29.8mm、等分布荷重wによる固定端の最大曲げモーメントMは次式で求められる。
…(13)
w=0.0302N/mmなのでM=2.05×105Nmm。中心を通る軸周りの断面2次モーメントIZは次式で求められる。
…(14)
この場合IZ=9.71×104mm4なので、σ=63N/mm2となる。
これは圧縮許容応力よりも十分に小さいので安全である。
たわみ計算
翼が必要以上にたわまないことを確認する必要がある。
翼端での最大たわみymaxは次式で求められる。
…(15)
ここで、Eは弾性係数であり、カーボン繊維の方向が0゜の場合E=1.41×105N/mm2である。繊維の0゜方向の割合を70%として、E=9.88×104N/mm2を用いることとした。これからymax=72.5mmとなり、問題ないことが確認された。
4−2、後翼スパー
後翼の片側長さLは約9620mmである。運搬のために先端と根元部に2分割しているので、別々に強度計算を行った。簡単のために翼弦長は一定としている。
4−2−1根元部
後翼根元スパーの長さL1:4800mm、内径d1:96mm、
外径d2:99.5mm、厚みt:1.75mm
応力計算
先翼と同様にして行う。w=409/9620=0.0425N/mm2なので、M=1.99×106Nmm。e=49.8mm、IZ=6.42×105mm4なので、σ=155N/mm2となる。これは圧縮許容応力よりも十分に小さいので安全である。
たわみ計算
1本の同じ太さのスパーが先端まであるものとして考え、根元部端での値を求めればよい。翼端から根元部端までの長さxは4820mmであり、根元部端でのたわみymidは次式で求められる。
…(16)
これからymid=253mmとなり、問題ないことが確認された。
また、根元部端でのたわみ角imidは次式で求まる。
…(17)
これからimax=0.0869rad=4.98度となる。
4−2−2 先端部
後翼先端スパーの長さL2:4820mm、内径d1:57mm、
外径d2:60mm、厚みt:1.5mm
応力計算
w=0.0425N/mm2なので、M=4.94×105Nmm。e=30mm、IZ=1.18×105mm4なので、σ=125N/mm2となる。これは圧縮許容応力よりも十分に小さいので安全である。
たわみ計算
翼端でのたわみymaxは式(15)により求められ、246mmとなる。
さらに根元スパー端のたわみ角があるので、419mm翼端はたわみ、合計で静止状態に比べて最大揚力を受けているときに翼端は918mmたわむことになる。これは許容範囲であり、ある程度たわむ方が上反角の効果が現れて安定することになる。この状態を図13に示す。

図13
4−3、胴体
前翼を支えている胴体から伸びる2本の支柱の強度計算を行う。コックピットから先の長さLは2230mmであり、内径d1:80mm、外径d2:83mm、厚みt:1.5mmである。この2本で前翼の最大揚力223Nを支える。
応力計算
一端固定の支柱の先端に112Nの集中荷重Wが働いているものとする。この時の固定端に働く曲げモーメントは2.50×105Nmmであり、IZは3.19×105mm4となるので、σ=32.5N/mm2となる。これは圧縮許容応力よりも十分に小さいので安全である。
たわみ計算
集中荷重を受けたときの支柱端での最大たわみymaxは次式で求められる。
…(18)
これからymax=13.1mmとなり、問題ないことが確認された。また、たわみ角も小さいことが予想され、翼の迎角に対する影響もほとんど無いと言える。
4−4、 主翼差し込み金具
主翼に後退角と上反角を与えるため、主翼を胴体に差し込む部分はやや複雑になるのでアルミ合金製(A5052P、H14)とした。許容応力は175N/mm2である。ここには1.99×106Nmmの曲げモーメントが働き、これを部材45番の厚みb:4mm、高さh:149mmの2枚の側板で支える。断面2次モーメントは次式で求められる。
…(14)
これよりIZ=1.10×106mm4、e=74.5mmなので、σ=67.4N/mm2となる。
これは圧縮許容応力よりも十分に小さいので安全である。
5. 操縦方法
以下の手順で機体のプラットホームへの運搬から着水までを行う。
5−1 プラットホームへの運搬
機体は胴体と尾翼をはずした状態でプラットホームまで運ぶ。これは尾翼に風があたり、搬送路でバランスを崩すのを防ぐためである。部材番号24の2本の支柱と尾翼挿入パイプを手で持ち、主翼の中間にある先端と根元の接続部をトンボで支えて運ぶ。このときに、風が当たっても揚力が働かないように、先頭を風上側に向け、やや下向きにして運ぶ。尾翼は胴体に差し込みボルト締めするだけなので、30秒程度で接続は完了する。
5−2 スタンバイ時の姿勢。
パイロットがコックピットに入り、肩と腰で機体を支える。腰のベルトを機体のロープにつなぐ。手は両側の24番パイプを持つ。助走路は両側よりも46cm高くなっているので、両主翼の中間は床から約2mの高さとなり、ここをトンボで支える。また、機体単独の重心はパイロットを含めた全体の重心よりも後方にあるので、尾翼の支柱も支える。補助者は3名となる。この様子を3面図に示す。
5−3 テイクオフ
スタートの合図が出たら、パイロットは準備が出来次第、合図を出す。補助者の準備よしの合図が揃ったところで、プラットホーム前方から旗で合図を送り、一緒にスタートする。はじめトンボが離れ、パイロットが足を離したら尾翼支柱を支える補助者が手を離す。パイロットは足を離す時点で機体に十分な揚力が働くよう、機体前後方向の傾きを調節する。機体が体重を支えられる手応えを感じたら、腹の前にあるバーに体重を乗せ、後ろにあるバーに片足をかけて残りの足を引き上げる。事前にスタートの準備を十分にしておく。
5−4 操縦
シミュレーションや模型の飛行試験によると、初めのピッチングがやや強く、その後安定してくるので、体の前後により重心位置をずらしてこのピッチングを解消する。また着水前には体を後ろにずらし、機体の前を持ち上げて速度エネルギーを使い飛行距離を稼ぐ。体は機体にロープで固定しているので、前後の移動量は±20cmとする。
5−5 着水
着水と同時にクイックリリース装置または、腰の金具2カ所のどちらかをはずして機体と体を離し、前方の発泡スチロールで支えられているキャノピーをはずして脱出する。
6. 安全対策
ユニークな機体であるが、安全性を両立させている。
6−1 パイロットの装具
パイロットは幅5cmの化学繊維製ベルトを腰に巻く。この両サイドには1アクションでベルトをはずせるスキューバダイビング用のベルトをそれぞれ付ける。このベルトをクイックリリース装置を介して機体に結んだベルトに付ける。機体が仮に真っ直ぐに水面に突っ込んだ場合でも、機体とパイロットはロープでつながれているので、機外に放り出されることはない。また、機体への乗り込みに失敗しても、落下することはない。着水後は3カ所のどこをはずしても機体と体を離すことが出来る。パイロットは上半身に浮力のある3mm厚さのベストタイプのウェットスーツを着る。これにより着水後におぼれることはなく、傷を負うことも防げ、水中での急激な体温の低下を防げる。また、自転車用ヘルメットをかぶり、頭を打たないようにする。さらに、水泳用のプラスチック製度付眼鏡を付ける。水中でも視界を確保すると共に、眼球へのけがを防げる。
6−2 機体構造
機体が仮に真っ直ぐに水面に突っ込んだ場合でも、前方に前翼と支柱があるので衝撃は少ない。もしも支柱が折れても、体の上や下に柱は無いので、危険性が少なくなっている。頭部の周りは開けているので頭を打つ危険性は少なくなっている。コックピット周りの体を支えるために手で持つ所以外の柱には厚さ1cmの発泡スチロールを巻き、衝撃を少なくする。主翼接続部とコックピットの間は厚さ4mmのCFRP板で仕切られているので、主翼が折れてもコックピット内に危険を及ぼさない。
6−3 飛行試験
コンテスト当日に安全に確実に飛ぶようにするため、試験飛行を行う。安全のために人は乗せずに同じ重さの水を詰めたポリタンクを積む。着地の衝撃を吸収するために車輪を取り付けておく。機体に取り付けたロープを車等で引っ張り、グライダーと同様に飛ばす。この試験により重心位置の微調整と、前翼取り付け角の調整を行う。また、パイロットの前と後ろにある体重を支えるパイプの位置を最終的に決める。また、人が乗りロープを数人で引っ張り、50cm以内の高度で飛行試験を行う。これにより体の前後の移動による機体の挙動を確認する。
6−4 パイロット及び補助者の訓練
パイロットは、ハンググライダーのA級認定試験用訓練(100mを直進する能力を付ける)を受講する。また、木製コックピットを製作し、プールで着水後の脱出を練習する。また、補助者と共にスタートの訓練をする。
7. 進行状況
現在までに以下のことを行った。
参加者募集、1999年大会見学、資料・書籍購入、インターネットによる情報収集、流体工学、航空工学、材料力学等の学習、シミュレーションプログラムの開発、試作用1/50模型制作、機体設計、1/10模型制作(図14)、工具の購入、消耗品(発泡スチロール、スタイロフォーム、ポリプロピレンフィルム、デコパネ、バルサ、CFRPシート、エポキシ樹脂、スチレンペーパー)等の購入(図15)、カーボンパイプの発注、パイロットの身体能力測定、パイロットの訓練


図14

図15
8. 今後の予定
実機の製作、車輪の製作、実機試験飛行(無人)、重心の調整、木製コックピットの製作、スタートの練習、ハンググライダーの練習、着水後の脱出の練習、等
謝辞
なお、本活動は湘南工科大学のテクノチャレンジ制度の審査に合格し、予算や学内施設の利用に便宜を頂いています。ご協力いただいている関係各位に対し、ここに御礼申し上げます。
|
|