旧山邑邸
(ヨドコウ迎賓館)
設計:フランク・ロイド・ライト+遠藤新
修復指導:文化庁文化財保護部
修復設計・監理:建築研究協会
所在地:兵庫県芦屋市山手町
用途:住宅(現在は展示施設)
竣工:1924年(大正13年)
修復:1988年11月
構造:鉄筋コンクリート造
規模:地上4階
掲載雑誌:
日経アーキテクチュア
1989年8月7日号(P80)
撮影カメラ: デジタルカメラ(334万画素)
SONY(DSC-P1)
HP作成日:2001年5月 28日
更新@:2003年1月5日(写真追加)
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JR阪急梅田駅より約30分、芦屋川駅で降りて徒歩約20分、芦屋の山の手に建つ旧山邑邸。
国内に現存する、ライトの数少ない作品のひとつです。
大正時代に山邑家別邸として建てられ、昭和22年にヨドコウが購入、一時社員寮としても活用され、現在は迎賓館及びライトの展示施設となっています。
鉄筋コンクリート初の重要文化財指定建築物。

ロケーションは抜群で、芦屋市内を一望できます。 この傾斜した立地条件を、ライトはとても気に入ったといいます。
旧帝国ホテルにも見られる、幾何学的な装飾模様が施された大谷石のファサードは必見!
この大谷石は栃木県宇都宮市大谷町で採取したものであり、やわらかくて加工し易く、ライトの要求する装飾に適した素材であったようです。

「玄関車寄せ」
ピロティ部分に設けられた車寄せ。 この上層部は2階応接室。
南側に展望バルコニー、北側に玄関扉が設けられています。


「2階応接室」
(写真上段左)部屋の東西に配された大窓と長椅子。
(写真上段右)天井際に設けられた通風孔。 木製扉が付いており、なんとも細やか。
(写真下段左)南側に配されたバルコニーからは芦屋市街が一望できます。
(写真下段中央)応接室全景、南側から望んだ様子。 その奥には給湯室もあります。
(写真下段右)北側中央に設けられた大谷石の暖炉。

「廊下・和室」
(写真左)3階西側、上下いっぱいの窓が連続で配され、とても明るい廊下。 この窓には葉をモチーフにした飾り銅板が採用されています。 その透かしから射し込む光、伸びる影が暖かみある印象。
(写真中央)3階北側廊下。 洗面室や各寝室へと到ります。 廊下にも作り付けの収納家具が数多く配されています。
(写真右)3階和室。 この和室はライトの設計に無く、施主の強い要望で弟子の遠藤新や南信の配慮によって実現したとされています。
3室続きの広々とした空間。

「寝室」
(写真左)3階家族寝室。
(写真中央)3階婦人室。
(写真右)3階寝室。

「3階洗面室」
(写真左〜中央)浴室の様子。 腰壁はタイル貼、上部は漆喰塗。 飾り銅板付きの窓も見られます。
(写真右)洗面室の様子。

「4階食堂」
装飾豊かな食堂。 壁や天井には実に細やかな装飾が見られます。
部屋の北側中央には大谷石の暖炉、南側にはルーフバルコニーへ出るための扉が設けられています。
天井は中央部分が高い船底型となっています。 長三角形の小さな通風孔も細やかで面白い。


「ルーフバルコニー」
芦屋市内から湾岸線まで見渡せるルーフバルコニー。 フェンスなどを設けず、少し高めのパラペットを巡らせています。 大変開放的!
奥にあるアーチ付の狭い階段を進むと、さらに小さめのルーフバルコニーへと到ります。
3階和室は別として、各居室の開口扉は小さく狭いつくりになっています。 よって「次は何があるのだろう?」という期待感と、中に入ったときの広がり感、そして思わぬところで部屋が繋がっていて意外なところへ到達するなど、なかなか楽しげ。
どの部屋も天井が低く、目いっぱい窓が配され、細やかな装飾が巡らされています。 光と影の演出も良く、暖かみがあります。
佇んでいるとピッタリ調度良いサイズの服を着たような感覚、全てに無駄が無く、理にかなった空間という印象でした。
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